物理量のひとつ。
ニュートン力学においては、質点の質量とその速度の積として定義される。
運動量保存の法則より、外力が働かない状態での物体間の運動量は保存されるため、複数の物体の衝突、引力、斥力などを簡単に表すことができる。
特に衝突に関しては、複雑な事象であるにも関わらず内力(衝突する物体間の摩擦力等)を一切無視した状態で、衝突係数などを用いて、衝突後の速度を計算することができるため、大変有用である。
また、解析力学の枠組みでは、運動量保存則は空間の並進対称性よりネーターの定理を用いて導かれる。量子力学においても運動量演算子は空間並進の生成演算子であるという強い関係がある。
解析力学において、一般座標系を導入すると、それに共役な正準運動量(または共役運動量)が次のように定義される:
Lはラグランジアンである。は必ずしも運動量の次元をもたない。この定義によって電磁場中の荷電粒子の正準運動量を求めると
であるから
を得る。