2011年3月11日に発生した東日本大震災と福島第1原発事故は、被災者の「心のケア」に関するさまざまな課題を浮き彫りにした。 発生直後からこころのケアチームが全国から駆け付けたものの、調整不足で特定の避難所に支援が偏るなど混乱した。精神科病院の入院患者に対する支援が遅れ、避難を機に多くの患者が亡くなる事態も生じた。 中長期的な影響は今も続く。心の復興には生活基盤の立て直しが欠かせないが、避難生活が長引き心の不調を訴える人は少なくない。 被災者の苦しみを受け止め、経験と教訓を能登半島地震などの被災地支援に生かさねばならない。 ◇ 東日本大震災の教訓から、13年に災害派遣精神医療チーム(DPAT)…