城跡の入口に建つ深沢城址碑 深沢城としては、今川氏親の築城が最初となるのだが、それ以前に葛山氏の庶流深沢氏の居館があったと推定されている。 葛山氏は、鎌倉期から駿東に御家人として勢力を張っており、城から南へ10kmほどの葛山付近を本拠としていた。室町時代は将軍直属の奉公衆で、隣接する今川氏の強大化により次第に今川家臣化して行ったのだが、全盛期にはこの地に一族を分出するだけの力があったのだろう。 深沢城の築城時期は不明だが、氏親の治世、つまり実質的に家督を継承した15世紀末から死没した大永6年(1526)までの間であるのは間違いない。具体的には、後の北条早雲である伊勢盛時と協力し、11代将軍義澄…