【目次】 1.はじめに 2.エッセイの紹介 『生命』 『天と地』 『数学を志す人に』 『春宵十話』 『かぼちゃの生いたち』 『数学と大脳と赤ん坊』 『ロケットと女性と古都』 『日本的情緒』 『物質主義は間違いである』 『宗教について』 『六十年後の日本』 『人とは何か』 3.終わりに 1.はじめに 岡潔(おかきよし、1901-78)は大正・昭和期に活躍した日本の数学者で、多変数複素関数論の分野で当時未解決だった三つの難問を全て一人で解決するなど、顕著な功績をのこした人物です。奈良女子大学で教鞭をとる傍ら多くのエッセイを世に出し、また、一風変わった風貌や性格のために、今日もっとも世間に知られた数…