中世文学会初日、オンラインで講演を視聴しました。①妹尾好信「「中世王朝物語」は文学史用語たり得るか」 ②村尾誠一「新古今時代に関してやり残したこと三題」です。 ①は『中世王朝物語全集』22巻(笠間書院)がまもなく完結することに因み、平安末期から近世初期にかけて(狭義には鎌倉期まで)作られた物語を「王朝物語」という用語で総称することについて、賛否を紹介しながら述べたもの。擬古物語、鎌倉時代物語などの用語もありますが、なかなかドンピシャの語がなく、議論があることは知っていましたが、改めて整理されてみると、軍記物語研究にも共通する点があって些か苦笑しました。語句の一部だけに注目して適不適を言い立てた…