国際単位系は、それまで広く使用されていた「MKSA単位系」を拡張したもので、1960年に国際度衡量総会で使用が採択された。世界中で広く使われている単位系であり、日本の計量法でも国際単位系を採用している。
SI(SI単位系)とも呼ばれる。SIはフランス語の"Le Système International d'Unités"の略である。英語では"The International System of Units"という。
国際単位系では、7つの基本単位と接頭語の組合せ(乗除)で全ての単位を表す。基本単位以外の、基本単位の組合せによって作られる単位を組立単位(「SI組立単位」)と言い、それらのいくつかには固有の名前が附けられている。なお、以前は平面角の「ラジアン」と立体角の「ステラジアン」を「補助単位」としていたが、1998年のSI第7版より組立単位となっている。
基本単位・接頭辞は以下の通りである。
物理量 | 名称 | 記号 | 定義 |
---|---|---|---|
時間 | 秒(second) | s | 「セシウム」133原子の「基底状態」の2つの超微細準位間の遷移に対応する放射の9,192,631,770周期の継続時間 |
長さ | 「メートル」(metre,meter) | m | 1/299,792,458 秒の時間に光が真空中を進む距離 |
質量 | 「キログラム」(kilogram) | kg | 「国際キログラム原器」の質量*1 |
電流 | 「アンペア」(ampere) | A | 無限に長く、無限に小さい円形断面積を持つ2本の直線状導体を真空中に1「メートル」の間隔で平行に置いたとき、導体の長さ1「メートル」毎に2×10-7「ニュートン」の力を及ぼし合う導体に流れる電流の大きさ*2 |
熱力学温度 | 「ケルビン」(kelvin) | K | 水の「三重点」の熱力学温度の1/273.16*3 |
「物質量」 | モル(mole) | mol | 0.012kgの「炭素」12に含まれる原子と等しい数の構成要素(「原子」・「分子」・イオン・その他の粒子)を含む系の「物質量」。要素粒子またはその集合体を特定して使用する*4 |
「光度」 | 「カンデラ」(candela) | cd | 周波数540×1012「ヘルツ」の単色放射を放出し、所定方向における放射強度が683分の1「ワット」毎「ステラジアン」である光源の、その方向における「光度」 |
名称 | 記号 | 乗数 |
---|---|---|
「ヨタ」(yota) | Y | 1024 |
「ゼタ」(zeta) | Z | 1021 |
「エクサ」(exa) | E | 1018 |
「ペタ」(peta) | P | 1015 |
「テラ」(tera) | T | 1012 |
「ギガ」(giga) | G | 109 |
「メガ」*5(mega) | M | 106 |
「キロ」(kilo) | k | 103 |
「ヘクト」(hecto) | h | 102 |
「デカ」(deca) | da | 101 |
「デシ」(deci) | d | 10-1 |
「センチ」(centi) | c | 10-2 |
「ミリ」(milli) | m | 10-3 |
「マイクロ」(micro) | μ*6 | 10-6 |
「ナノ」(nano) | n | 10-9 |
「ピコ」(pico) | p | 10-12 |
「フェムト」(femto) | f | 10-15 |
「アト」(atto) | a | 10-18 |
「ゼプト」(zepto) | z | 10-21 |
「ヨクト」(yocto) | y | 10-24 |
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*1:2018年11月に開催される国際度量衡総会において、「プランク定数の値を正確に6.62607015×10³⁴ジュール・秒と定めることによって設定される」ことが提案される予定
*2:2018年11月に開催される国際度量衡総会において、「電気素量の値を正確に1.602176634×10⁻¹⁹クーロンと定めることによって設定される」ことが提案される予定
*3:2018年11月に開催される国際度量衡総会において、「ボルツマン定数の値を正確に1.3806490×10⁻²³ジュール毎ケルビンと定めることによって設定される」ことが提案される予定
*4:2018年11月に開催される国際度量衡総会において、「1モルは正確に6.02214076×10²³個のよう素粒子を含む。この数値はアボガドロ定数である」ことが提案される予定
*5:抵抗の単位オームの場合は「メグ」とも読む
*6:μを表示できない環境では u と書かれることもある