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国鉄205系電車

(一般)
こくてつにひゃくごけいでんしゃ

JR東日本JR西日本の通勤型直流電車
日本国有鉄道時代の1985年から製造されたステンレス車体の鉄道車両
1980年代に入り、国鉄が次世代中距離電車用として開発していた技術を土台に、201系に代わるコストパフォーマンスが高い生産性の通勤電車として開発。JR時代になっても引き続き製造が行われ、東京周辺のJR路線では良く見かけることができる。
デザイン的にはビート加工を使用した、あっさりとしたステンレスによる軽快な車体であり、以下のような特徴がある。

  • 中桟の無い大きな窓(先行試作車を除く)。見た目につく特にこの大きな窓は、居住性を大幅に改善させた。
  • 技術的にはチョッパ制御の201系より、安価の価格帯で省エネシステムの界磁添加励磁制御*1を採用。
  • 車体と台車の接続部品構造の見直しを行い、構造部品点数を簡略化したボルスタレス台車による軽量化。
  • デジタル設計によるビートステンレス構造車体による軽量化。
  • デジタル配線を使用し最適な性能を実現するデジタル式電気指令ブレーキを採用。
  • 91年に通勤輸送のシステム改善として、初めて6ドア車両を組み込んだのもこの型からである。

…など、環境対策にも優れた車両と言えるだろう。
これらの技術はJR以降に登場した車両の設計母体となり、多くの兄弟設計車を生み出し新技術の土台となった。

運用線区

最初は山手線に投入され、埼京線などへも投入されていった。その後、2002〜05年にかけてE231系が山手線に投入されたため、それまで山手線で使用されていた車両は、東京周辺の旧型電車を置き換えるために活用された。

1985年当初は山手線と大阪緩行線(東海道本線・山陽本線/JR京都線・JR神戸線)に導入。
1987年、JRとなって以降は山手線へ追加導入を継続し山手線の205系化を完了。
引き続き、横浜線・阪和線・南武線・埼京線・京浜東北線・総武緩行線・京葉線・武蔵野線に導入され、老朽化した旧型車両の101系・103系を置き換えていった。
1991年には、相模線電化に伴い、205系500番代が直接導入され、スタンダードな新型車両としての存在を示した。
2002年以降には、山手線更新に伴い、捻出した車両を活用。
JR東日本で101系/103系を使用していた線区の、南武線・鶴見線・仙石線・八高線・京葉線・武蔵野線に置き換え用として新規導入され、その姿を見る事が出来るようになった。

なお、大阪緩行線の205系0番台は321系の導入に伴って2006年に日根野電車区(現・吹田総合車両所日根野支所)に転属したが、のちに網干総合車両所明石支所の207系・321系が尼崎〜奈良間を結ぶ直通快速運用も担当することになり、大阪緩行線を走る4扉電車が不足した為、2011年に宮原総合運転所(現・網干総合車両所宮原支所)へ転属しJR京都線で平日の朝ラッシュ時間帯に限定運用として運行された。この運用は2013年で終了し、日根野支所へ再び転用された。

バリエーション

先行試作型

窓が大型1枚窓でなく、中桟のある201系スタイルの窓の形のもの。初期の4編成はこの形で製造された。のちに京葉車両センターに転用され京葉線で運用についたが、現在は引退し、一部は富士急行に譲渡されている。

国鉄時代量産型

窓が1枚窓になったもの。JR東日本の各線区で運用されているほか、JR西日本では吹田総合車両所日根野支所に6両×4編成が配置されている。JR西日本の編成は中間更新済み。

JR東日本量産型

国鉄時代量産型に比べ、内装のデザインが一部変更された部品変更型。山手線以外への新製導入車は、ドア窓の大型化が測られ路線表示がついた。埼京線(10両編成/川越車両センター)・横浜線(8両編成/鎌倉車両センター)・南武線(6両編成/中原電車区)などで運行されている。

1000番台(西日本)

JR西日本が阪和線用に生産した。前面窓レイアウト変更など独自の改良を行い番代区分がついた。4両編成で、全車吹田総合車両所日根野支所配置。全編成とも中間更新済み。

京葉線・武蔵野線新造車

90年頃からこれらの線に直接導入された車両は、JR東日本量産型から更に細かい部品の独自化が進む。
目立つ変更点としては、先頭部分のFRPデザインが変更され、脱国鉄イメージが進みソフトイメージが増した。
構造として、205系の次期導入車両の901系の設計を先行して取り入れた形となり、耐用年数が以前の製造機種より低めに設定されており、2010年に京葉線E233系導入の動きに合わせて、先行して運用離脱した物が多い。一部は小山車両センターに転属して600番台となった。

500番台

相模線電化に際し製造されたもの。前面デザインの独自化と半自動ドア用操作スイッチがついた。4両編成で、全車国府津車両センター配置。

3000番台

山手線新型化に伴う発生車両を改造した物。中間車の先頭車化改造を行い、半自動ドアスイッチがついた。八高線用。4両編成で、全車川越車両センター配置。209系と共通で使用。

3100番台

山手線新型化に伴う発生車両を改造した物。3000番台のメニューに加えて寒地対応工事とトイレ取り付けを行ったもので、一部に2Wayシートを搭載。仙石線用。4両編成で、全車仙台車両センター宮城野派出所配置。

5000番台

山手線新型化に伴う発生車両を改造した物。粘着性向上の為、中間車の走行装置がVVVFインバーターに変更された。武蔵野線用。8両編成で全車京葉車両センター配置。

1000番台(東日本)

山手線新型化に伴う発生車両を改造したもの。中間車のワンマン対応先頭車化改造を行ったもので、南武支線用。2両編成で全車中原電車区配置。

1100番台

山手線新型化に伴う発生車両を改造したもの。中間車のワンマン対応先頭車化改造を行ったもの。鶴見線用。3両編成で、全車中原電車区配置。

1200番台

山手線新型化に伴う発生車両を改造したもの。中間車の先頭車化改造を行ったもの。南武線用で、先頭車のみの区分。6両編成で、全車中原電車区配置。0番台編成と共通で使用。

600番台

京葉線・埼京線新型化に伴う発生車両を改造したもの。日光線・宇都宮線用。寒地対応工事と霜取りパンタ増設・トイレ設置を行ったもの。日光線用と宇都宮線用で帯色が異なるが基本的な仕様は同一で、共通運用が可能である。転用元の関係で2種類の顔がある。4両編成で、小山車両センター配置。

廃車・譲渡

京葉線では2010年からJR東日本E233系電車5000番台の導入が始まったため、京葉車両センターの京葉線用205系は順次運用を離脱し廃車または転属している。また、これに伴う209系500番台の武蔵野線転用に伴い、武蔵野線用205系のうちVVVF制御でない4編成が廃車されている。
なお、廃車された一部編成は富士急行へ譲渡されて同社6000系となった。
続いて埼京線が2013年から、横浜線用が2014年から順次E233系への置き換えが行われて廃車が進行している(埼京線から離脱したうち2編成は小山車両センターへ転属)。
廃車になった埼京線、横浜線の車両がインドネシア、ジャボデタベック鉄道(KCJ=KaiCommuterJabodetabek)に譲渡されて運用されている

JR西日本では2013年に宮原支所所属だった編成が日根野支所へ再度転属する際に6両編成化されたため、余剰となったサハは中間更新せずに廃車されている。

*1:かいじてんかれいじせいぎょ

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