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レーション

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れーしょん

[英] ration
レーションとは、各国の軍人の朝食・昼食・おやつ・夕食・夜食のことで、野戦食戦闘食などとも呼ばれる。
本来は「割り当て」「支給」などを意味する言葉で、軍隊で支給される歯ブラシや手袋など、食糧以外の配給品も含めて指す語であったが、最近では作戦行動などに当たって個人に支給される携行糧食(コンバットレーション)のみを指す場合が多い。
近年では携行性や保存性を考慮し缶詰にレトルトパックを組み合わせたタイプが主流。現地の気候などによっては簡易燃料や水清澄剤といったものが同梱されることもある。
また、兵士にはアーミーナイフ(十徳ナイフ)が支給され、有事の際にはアーミーナイフ等で缶を開封するよう訓練している軍隊も多い。
なお、払い下げなどで一般に 出回ったコンバットレーションを、近年ではミリメシ(military+飯の略)と通称することもある。

各国の特徴

レーションは「兵士を戦闘可能な状態に維持する」「大量に生産・消費され、補給路遮断を考慮して長期間保存されることがある」「戦地に置かれ、火も水もない状況での維持食たりうる」「末期の食事になるかもしれない」といった様々な条件のもとに作られている。高いストレスと死の恐怖に晒される交戦地域では「食事」も兵士や将官の士気に響くため、ある程度自国民の味覚や好みに配慮し、バリエーションを増やしたレーションが多い。
味に特化したフランス、ティータイムを重視したイギリス、デザートにワインつきのイタリア、肉料理にこだわるドイツ、異色の「米飯+おかず」という形態の日本、実用本位のアメリカ、寒地のため熱を加える事前提のロシア・中国など、国ごとに内容物が異なる。
味については、フランスを筆頭に、イタリア・ドイツや日本が比較的好意的に評価されることが多い。その一方で、ほとんどの場で「一番不味い」として槍玉に挙げられ、またレーションネタでオチをしめる役回りが多いのが、米国のレーション「MRE(Meal, Ready-to-Eat)」である。

MRE

米国のMREには以下の条件が求められている。

  • 高度 380m からのパラシュート投下、高度 30m からの単体梱包投下でも破損しない事.
  • 外気温 27 度で最低 3 年間、38 度でも最低 6 ヶ月保管出来る事
  • マイナス 51 度からプラス 49 度までの気温に短期間耐える事

このように、保存性のみが評価基準であったため、味についてはほとんど考慮されず、特に1981年頃から支給された初期型MREには、以下のように様々な蔑称がつけられた。

  • Mr.E (ミステリー)
  • Meals, Rarely Edible (とても食べられたものじゃない食物)
  • Meals Rejected by the Enemy (敵から拒否された食べ物)
  • Morsels, Regurgitated, Eviscerated (吐き戻され、骨抜きにされた一口)
  • Mentally Retarded Edibles (精神薄弱料理)
  • Meal, Ready to Excrete (すぐ排泄できる食べ物)
  • Meals Rejected by Everyone (誰もが拒否した食べ物)
  • Materials Resembling Edibles (食べ物に似た何か)
  • Meals Rejected by Ethiopians (エチオピア人すら拒否した食べ物)*1

その後、味についても改善されているということだが、初期型MREのイメージと、他国との比較相対論としてMREの「不味い」というレッテルは現在もなお払拭されていない。

*1:当時、エチオピアは飢餓状態にあったことから

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