平野新吉先生が小誌に連載ご寄稿下さる『フトマニ』を読む。本号に掲載された筮歌を拝読して、平成三十一年新春号の冒頭筮歌が、「イヨロ」の歌で佳かったと胸をなで下ろしています。 アマテル大御神が選者となり自らご添削なさって撰集された百二十八首の占歌、『フトマニ』。それは、古典文学の通説である「鹿の骨や亀の甲羅を焼いて占う上古の占術」とは別物で、天地宇宙の組成を平面的に模写した縄文時代の「時空概念図」に依拠した、精緻な陰陽吉凶判断法則でした。百二十八の占歌は、予め定められた吉凶の度合い、ならびに言霊の性質を表現すべく詠まれた高度な読み込み歌であり、大御神の添削により各々命を吹き込まれたものです。いわば…