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バンド構造

(サイエンス)
ばんどこうぞう

物質が電気を通すか絶縁体になるかを考える場合に必須となる概念。
原子一個の場合、まわりにいる電子はどびとびのエネルギーを持ったいくつかの状態のどれかに属することになり、低いエネルギーから順に原子番号と同じ数の電子を詰めていった状態が基準状態となる。
金属などの場合、たとえば原子が100個あると、それぞれの原子にある状態が隣同士融合して100個の状態が合体し、電子が全体に広がった状態が100個出てくる。100個それぞれの状態は電子が全体に広がった状態で一定の速度で移動している状態で、速度が100種類ある。そのエネルギーはだいたい速度0の状態のエネルギー+速度の二乗、程度になるのでエネルギーに幅がでる。これをエネルギーバンドと呼ぶ。このようなエネルギーバンドが複数でてきて、そこに100×原子番号の個数の電子をエネルギーが低いほうから詰めていった状態が基準の状態になる。
ここでコンサート会場を考える。席は安い順にB,A,Sとあり、それぞれ100席ある。同じB席でも中央に近い方が若干高い。でもB席で一番高い席でもA席の一番安い席よりはすごく安い。この値段(エネルギー)の差額をバンドギャップと呼ぶ。また客は男女カップルで来て、一つの席に男女が一緒に座れる(電子の↑スピンと↓スピン)。男同士、女同士は座れない。
B席が全て男だけで埋まった状態を考える。ここに女の人が一人きても、どこにでも座れてB席の中を自由に移動できる。これは電気が流れる金属の場合。
しかしB席がすべてカップルで埋まった状態だと、身動きがとれない。でもA席にバンドギャップの金額だけ金を出して移れば移動できる。景気が悪い(温度が低い)とみんな金(エネルギー)持ってないのでA席に移れず、動けと頼んでも(電圧をかけても)動かない(電流が流れない)。しかし景気がいいと、わりとA席に移って電流が流れる。絶縁体が高温だとある程度電流が流れるのはこういう仕組みになっている。
半導体の場合、ほとんど席はカップルで埋まっているが、たまに男一人で来ている奴がいたり男一人女二人で来てる奴が混ざっていたりして、そのあぶれた人が移動してある程度電流が流れる。半導体に原子番号の一つ低い元素を混ぜるホールドープが前者の場合、一つ多い元素を混ぜるキャリアドープが後者に相当する。

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