考察その3からの続き ・私たち自身の物語 かぐや姫の悲劇は「地球に生を受けたにもかかわらず、その生を輝かすことができないでいる私たち自身の物語」と企画書に書かれている。実際に映画は「生きる」ということが主題として描かれている。おおざっぱに区切ると映画前半では豊かな自然と豊かな人間関係に囲まれた”生きている姫”が描かれ、後半では”生きれない姫”、”死にたい姫”が描かれている。後半からは延々と悲劇を見せつけられることになる。それらが現代に生きる人の悲劇と重なり、映画の中で観客は”現実を見せつけられる”ことになる。エンディングでは観客自身が”生きる”というテーマを自分事として考えずにはいられなくなる…