1つの日記だけで終わる短編小説を書く人たちの集まりです。
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AI開発競争で先頭グループを走る〇✖大学の山田教授は、遂にユニークなソフトを生み出した。 バーチャル有名人出現機。 古今東西の文化人、経済人、アスリート、ロビイスト。名のある人物であれば、ワードを入力するなり3D画像で本人が登場し、生前の本人そのままに立ち居振る舞い、考え、発言してくれる。というのも、本人にまつわる文献、映像、伝聞、あらゆるデータを内蔵している。そこにAIの推測機能が加わることで、…
こんばんは。 明日は有給だぜええ。 めちゃくちゃ何もせんどこ。
Yuza「前回、あなたが最後にお話ししたのは『何か大きなことをしなければならない。』とか…『自分には、その義務がある。』という強迫観念を今のあなたが抱えていると同時に、でも自分は『それに応えることはできるか。』とか、『応えたくない。』という感情があなたのなかで起きているということでしたね。」 Wes「Yes.(うん。)」 Yuza「『どうして僕が…?』という気持ちもあると言っていましたね。…それで…
あるところに目がひとつしかない猫がいた。 産まれて初めて目が開いた時、すでに誰もいなかった。 他の猫に会ったこともないし、もちろん親にも、兄弟にも会ったことはない。 そのため、自分が猫と呼ばれる生き物であることも知らず、まだ十分に歩けないような頃から自力で、寂しく、死に物狂いで、なんとか生きてきた。 産まれ落ちたこの小さな森が住み処だ。 この森はネズミが多い。初めてネズミを食べた時のことは今でも忘…
創作の動機/落とし物の使い方 ショートショートの創作プロセスを、その『動機』に絞って公開するものです。深くそれを知ることで、ご自身の創作時のヒントにして頂きたいと思います。今回の作品は『落とし物の使い方』です。 ショートショート『落とし物の使い方』の全文はこちら↓↓↓ rhirasawanb.hatenablog.com 【CONTENTS】 過去の出来事 抽出されたネタ 創作の開始地点 過去の出…
前話はこちら。 kuromimi.hatenablog.com *** もう何度目かの物思いから回復すると、あたりは薄暮だった。つい先程までははっきりと見てとれた物の輪郭が一気に崩れ薄闇へ溶けようとしている。一瞬、自分の視力ががくんと落ちたかのような錯覚に襲われた。刻一刻と世界は曖昧さの度合いを強めていく。ふと、このまま盲目になってしまえたら、と思った。知らないということがどれほど幸福なことなのか…
バインダーにある一枚の紙が挟まっている。 問診票。 わたしは然るべきことを、ここに表明する必要がある。上から順に氏名・性別を書いていき、住所ときてから最後のある欄に辿り着いた。 症状。の欄にたどり着いてから、わたしは意識的に呼吸をひとつ置いた。ふぅーすぅーーーー。そして、一気に、あのイチローが子供たちからボールを受け取り笑顔で速筆するような爽やかさで「勃起不全」と、軽快な筆跡をそこに残した。より正…
連休の最後の日に、妻と近所の神社にお参りに行った。なんだかわからないのだが、混んでいた。身なりから察するに、近所の方がたくさん訪れていたようだ。 我が家は喪中なので、一応松の内は避けて参拝にきた。 「みんな喪中なのかね」と私が軽口をたたくと、 「そんなわけないでしょ」と妻が応じた。 妻は、基本的に真面目で、つまらない返しをしてくる。 ただ、東京に通う人が住むのにちょうどいい距離であるこの辺りは、人…
立憲民主党、泉氏の発言を再び思う。 天皇弥栄(すめらぎいやさか)とは、皇統が途切れることなく、天皇の世がますます栄えるように、との意味があるわけで、それは、戦後、日本国憲法下、そして保守派がよく言葉にする国柄が、私の感覚とはまったく違うわけですよ。彼は単に皇室と言葉を濁していますが、同じ考えでしょう。 また、「国家安泰」とは、権力者、あるいは靖国や神宮が祈願に使う言葉で、立憲を党名にしている野党党…
正月早々、歯痛になった。 もう、最悪。 彼と会う約束も、台無し。私はご機嫌斜めで彼と会う羽目になった。我慢するにはするのだけど、何をしていても、歯がじんじんと痛む気がして落ち着かない。年越し蕎麦も、お節もお餅も、この痛む歯で食べた。 「歯が痛むの、助けて……」 私は、どうしようもないことを彼に言ってしまった。痛いことを訴えたところで、私が悪いし、彼にはどうしようもない。どうしろというのだろう。こん…
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