1つの日記だけで終わる短編小説を書く人たちの集まりです。
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こんばんは。 結構ご無沙汰でしたね。 わたしは元気ですよ。 きっと。たぶん。メイビー。アバウト。
「お~いお前ら、遅いぞ走れ~!」 退屈な一日の授業を終えて昇降口から外に出ると、ひどく細長いノックバットをかついで校庭のマウンドの土を退屈しのぎに足裏で均しながら、声をかけてくる薄汚れたウインドブレーカー姿の男がいる。部活に来る面倒くさいOBだ。 監督はいつも遅れ気味にやってくるが、部活に来る面倒くさいOBはだいたいいつも先にいる。時にはベンチで煙草を吹かしながら、「お前らは吸うなよ~」と矛盾した…
「誤解です」 私は、さりげなくも力強く否定をした。隣人は訳が分からないという顔をしている。 私たちは、会話をしていた。本を読んでいた隣人にそのタイトルを教えてもらい、それを検索したのだ。ここでようやく、隣人は私を見た。正確には、私のiPhoneの画面である。そこには隣人が読んでいる本の大手通販サイトと、転職サイトの広告が大きく掲載されていた。もしかしたら本の表紙を写した画面よりも大きいのではないか…
そう......僕は......何度も何年も何百年、何千年......と同じ事を繰り返し この世界に戻ってきた......死神として...... 回想 死の匂いがする この村を数千年前に 降り立つ...... この日、死神として初めて 生死ある者の選別を任され 躊躇なく事を運ぶ予定だったが...... ある儀式が始まり......一人の少女が 矢倉で舞を披露しているのを 暫し眺めていた......…
砂糖1kg 塩200g ビタミンC700g ニコチン50g カフェイン10g 水3l maybe newlibrary.hatenablog.com ランキング参加中読書ランキング参加中創作
十三歳の誕生日、少年は自宅の卓子(テーブル)でアップルパイを頬張っていた。家は誰もいないかのように静かだ。半分ほどパイを食べ終えたところで、少年はアラベスク模様のテーブルクロスに落ちた食べ滓を拭き払い、立ち上がった。 この家は祖母と母、歳の離れた三人の姉と、彼以外は女ばかりが住んでいる。だから調度品は女らしい趣味のものばかりで、少年はしばしば居心地が悪かった。祖母と母がとくにアラベスク模様を好んで…
卒業式だと言うけれど、何を卒業したのだろう。思い返すと入学式が終わった後は1人でそそくさと帰った。そして卒業式が終わった後も1人でとっとと帰った。環状線で電車に乗って、それと同じ駅で降りただけなのだ。始まりと終わりが一緒なのだから、何も変わっていない。ただ覚えたのは酒とたばこのやり方、いくつかの好きな曲、諦観、言い訳の仕方、効率の良いサボり方だった。虚しくもない。それは既に終わっている。明日は今日…
久しぶりに何も予定がない土日だった。土曜日は朝から晩まで眠り、日曜日は昼まで寝て、美容外科行って、本屋さん1時間徘徊して、コメダでごはん食べながらネトフリ見た。その間に高校時代の同級生から出産したことを知った。ああ、ああ。私は20代前半からやってることが変わらない。ずっと望んでいたことだった。こんな生活が一生続けと思ってた。苦しいことを遠ざけて楽しいことだけで身の回りを固めた。思い通りなのに、本当…
Yuza「前回、あなたが最後にお話ししたのは『何か大きなことをしなければならない。』とか…『自分には、その義務がある。』という強迫観念を今のあなたが抱えていると同時に、でも自分は『それに応えることはできるか。』とか、『応えたくない。』という感情があなたのなかで起きているということでしたね。」 Wes「Yes.(うん。)」 Yuza「『どうして僕が…?』という気持ちもあると言っていましたね。…それで…
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