すべからく手術というものは、生体に何らかの傷をつけるものですから、副作用が全くないというものではありません。これを侵襲(invasion)と言います。手術の進歩とは侵襲が少なくなることと、効果(benefit)が強くなることのどちらか、あるいは両方が達成されることを言います。 白内障手術に例を取ると、折りたたみの眼内レンズが開発されることにより、創口が小さくなったことは侵襲が少なくなったことを意味します。レンズの性能は折り畳みでも一体型でも変わらないとしても、傷の大きさが小さくなることにより、早期回復、惹起乱視の軽減、手術時間の短縮などが期待できます。一旦このトレンドが始まるともう元には戻れま…