さてさて、この鉄腸ブログでは何度も書いているが、最近にわかにネパール映画界がアツいことになっている。この国の新鋭たちの作品が2022年辺りからサンダンスやロッテルダムなどの有名映画祭に続々と選出されているのだ。そして2023年、その中でもより特権的なヴェネチアとトロントに長編映画がそれぞれ選出されたのを目撃した時、私のなかでネパール映画界の今後10年における躍進を確信したのである。ということで今回は中でもヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門に選出された、Fidel Devkotaによる第2長編“The Red Suitcase”を紹介していこう。今作の主人公は名もなきトラック運転手(Sauga…