国鉄の特急用電車の一種。1971年製造開始。
信越線横川−軽井沢間を通過する電車は補助機関車に牽引または推進されるため、編成長を8両以下とする制限があった。これに対し1960年代になって全国に普及した電車急行や電車特急は12両編成が標準的だったため、信越線系統のみ輸送力が不足したり、上野と北陸方面を結ぶ特急が上越線を経由せざるを得なくなったりする事態を生じていた。
これに対処するため、補助機関車との協調運転という技術が開発され、まず急行用の169系が1968年に製造開始され、急行の12連化が達成された。続いて開発されたのが、この特急用の489系である。
協調運転用以外の設備は485系に準じており、485系同様在来線の全ての電化方式に対応している。広義の485系に含める場合もある(→「485系」も参照)が、485系から派生した系列であり、485系と完全に同一視できるものではない。
当初は上野−金沢間を信越線経由で結ぶ特急「白山」に投入されたほか、信越線を通過しない列車にも485系に混じって使用された。
現在では横川−軽井沢間は廃止されたため、協調運転用機器を使用する機会はないものの、急行「能登」などで使用されている。
現在、JRで「ボンネット車」と呼ばれる形状を持つ車両はこの489系にしか存在しない*1
など
*1:485系訓練車を除く→485系訓練車が大宮の鉄道博物館入りしたため現状では唯一の存在