平衡で無い様。
また特に物理学では、内部で何らかの物理量の散逸が起きている状態のことをさす。そのような状態にある物理系を非平衡系と呼ぶ。非平衡現象の例としては電気伝導・熱伝導などの輸送現象、あるいは誘電緩和・磁気緩和などの動的現象などが挙げられる。
現代においては平衡系の熱・統計力学に関しては一応の完成を見た状態といっていいが、非平衡系に関しては堅実に確立しているといえるものは擾乱に対する線形近似である線形応答理論ぐらいである。非平衡系の包括的記述の模索、あるいはそれに基づいた現象の理解は現代物理学において一つの重要かつチャレンジングな課題である。
非平衡現象をまともに取り扱う試みが成功した暁には、非平衡現象の理解が進むことはもちろん、平衡系の熱・統計力学をより包括的観点から相対化できるようになる。例えば、非平衡熱力学では熱力学第二法則はエントロピー生成の効果をとり入れた発展方程式により表現される。