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電解還元水

(サイエンス)
でんかいかんげんすい

日本国内に多くの信者がいる疑似科学用語の1つ。

◆電解水情報の読み方◆
 最近、電解還元水(アルカリイオン水ともいわれる)の宣伝で、電気分解によって水の中に「活性水素」ができるというものがあります。水の電気分解で水の中にできるのは水素分子ガスで、水素分子生成の前にできる原子状水素は電極の金属原子と結合した状態で存在するというのが電気化学分野では常識となっています。宣伝で言われているようなことは化学の分野では全く認知されていません。活性水素説は化学の教科書を軒並み書き換えるものであり、受け入れられるには誰もが認める決定的な証拠が必要です。いままでのところ、水の中に活性水素(原子状水素)が存在するというのは、単なる作業仮説であり、企業が宣伝しているようなすでに存在が実証されたものではありません。
 活性酸素云々の話がでている場合のチェックポイントは、まともな研究者が測定してるか?というところです。ここでのまともな研究者とは、活性酸素自身の分析をできる手段をもった、フリーラジカルの研究の専門家です。活性酸素の測定法は既に存在します。消去効果をいうのであれば、フリーラジカルの研究者が認めるような手法で測定して結果を示すことが必要です。原子状水素も水素分子ラジカルも存在はしますが、寿命が短い(マイクロ秒以下)ことが知られています。活性酸素の寿命も短いです。放射線化学の分野ではいろいろ調べられているようです。一般に反応性の高い物質ほど不安定で、存在時間が短かいのです。水素原子や水素分子ラジカルが安定だという話もまた、化学の教科書を軒並み書き換える話です。

(略)

 なお、「お茶の色を変える(濃くなる)」という演示実験が宣伝にしばしば使われますが、pHが変わるとお茶の色素の色が変わるのは当たり前で、うんとアルカリにすると実際濃くなりますが、水のミラクルな作用とは何の関係もありません。抽出状態の違いはpHによる影響を除いた状態で比較したのでないと無意味です。

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