甲子園阪神パーク(こうしえんはんしんぱーく)は、昭和・平成期に兵庫県西宮市にあった遊園地。阪神電気鉄道が所有・運営していた。
大手私鉄各社は、沿線に遊園地を展開し、利用者の誘致を図っており、阪神パークも同じ目的を持っていた。道路を挟んで反対側には阪神甲子園球場もあり、阪神電鉄にとって甲子園は一大レジャーゾーンであった。
晩年は入場無料として一部を住宅展示場にした「阪神パーク甲子園住宅遊園」となっていたが、利用者の減少にともない、2003年3月30日の営業をもって閉鎖となり、跡地は商業施設「ららぽーと甲子園」になった。前後して他の関西圏の大手私鉄も、遊園地の閉鎖が相次いだ。直後の4月7日には阪急電鉄が運営していた宝塚ファミリーランドが閉鎖になっている。
ゾウやサル、キリンなどの動物やフラミンゴなどの鳥類を飼育していた。また、ヒョウとライオンを異種交配した「レオポン」と呼ばれる珍獣も飼育しており、海外からも注目されたことがある。5頭が生まれ、うち1頭は1985年まで生存した(最後まで生きた1頭の剥製は同市内のリゾ鳴尾浜にて展示されている)。閉鎖後はゾウ2頭が市原ぞうの国に移住した(うち1頭は移籍後しばらくして老衰で死亡)ほか、天王寺動物園などいくつかの動物園に移籍している。
ジェットコースター、モノレール、観覧車、アスレチック、大飛行塔などの遊戯物があった。
プール
「デラックスプール」(のち「ビーチプール」と改称)と呼ばれる屋外プールを夏季に営業していた。ウォーターコースター(滑り台)などの設備を有した。スイミングスクールも営業していた。場所はパークとは道路(通称:臨港線)を挟んだ南側にあった。
冬季はオープンスケートリンクを営業し、スケート教室も開かれていた。
震災後に利用者が激減したため、1997年に園内に住宅展示場を設置した。入場料が無料になったため、この年以降、入場者数はカウントされなくなった。レジャー施設の住宅展示場への転用は南海ホークスの本拠地であった大阪球場にも実例があったが、遊園地の衰退振りを物語るものとなってしまった。
イベントを開催する演芸ホールがあった。のちに子供向けのちびっこホールに改装されている。
1975年に廃止された路面電車の阪神国道線で使われていた、1形27号車(展示の際、車体表記を1に変更)と201形215号車をスケートリンク脇にて展示していたが、1991年のリニューアル時前後に撤去された。
厳密には園内ではないが、敷地内にはボウリング場「甲子園ボウル」があった(なお、阪神甲子園球場で開かれるアメリカンフットボールの大学選手権も甲子園ボウルと称する)。現在も阪神電鉄バス浜田車庫内にて営業している株式会社ボウル阪神が運営。