エッセイスト。立教大学観光学科卒。
『負け犬の遠吠え』(isbn:4062121182)など ほかに
など多数
「負け犬の遠吠え」は、第4回婦人公論文芸賞(中央公論新社主催)と第20回講談社エッセイ賞とをダブル受賞した。同作品は日本テレビにて、久本雅美主演でドラマ化された*1。
*1:2005/1/8(土)PM9:00〜10:54放映
甲辰年二月廿二日。魁春忌。気温9.1/24.1度。晴。家人がFMで聴いたラヴェルのピアノ協奏曲ト長調の所謂「弾き振り」が凄かつたといふ。それはコロンビア交響楽団での演奏だつたさうだが映像でこちらがあつたので、それを聞く。1975年のパリ、フランス国立交響楽団での演奏。 本当にこのバーンスタインといふ音楽家のためにすべてが仕込まれたやうな演奏会。こんな「出来過ぎ感」は長嶋茂雄や小澤征爾同様に天から舞ひ降りてくるらしい。 歌舞伎「人情噺文七元結」 - 古典芸能への招待 - NHK 音羽屋(菊之助)は才能に恵まれてゐる。それでもどこか役になりきれないといふか、この芝居でいへば長兵衛のあまりの無防備な…
エッセイストの酒井順子さんが言っていました。 「やっぱり、そーか」と合点がいきました。 装丁が良いかどうかは、ワタシの本選びのポイントの一つです。 それにしても、本選びは楽しいものですが、 体力を奪われる、というのも事実です。 だから、こういう本はとても役に立ちます。 こういう本とは、酒井順子さんが著した『本棚には裏がある』です。 「週刊文春」連載の「読書日記」から39篇を抜粋したものです。 この本が魅力的なのは、堅苦しい書評みたいじゃなくて読書エッセイ的な味わいなとこ。 毎回、3冊の本を取り上げ、世相を絡めて興味深いお話に仕上げてくれます。 意外な本の組み合わせが、妙にピッタリだったりして感…
謹しんで新年のお慶びを申し上げます。 昨年は大変お世話になりました。 今年もよろしくお願いいたします。 今年の大河は『源氏物語』を題材にした『光る君へ』。 いよいよ今夜から放送ですね。 私は毎週金曜日に、自分のWEBサイトのつぶやきというかエッセイを更新しているのですが、今週はこんな風に書きました。 源氏物語は、私は入り口が「あさきゆめみし」でしたが、それなりに各源氏に触れて来たような気がします。 私が好きなのは、角田光代さんの源氏物語で、あまり好きではないのが瀬戸内寂聴さんと林真理子さん。 持論ですが、あまりにも男と女の恨みつらみを前面に押しだすと、全く面白くないんですよ、源氏物語は。 実は…
2017年10月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 男と女の違いというより、個と個の物の考え方の違いではないか。 世の現象を考える際、カテゴリー(枠)にはめて現象をとらえる人と、できる限り枠を取っ払いその個に答えを求めようとする人がいる。 もう一つ。自分の世代だったり、周りの人々の集合体の平均値に答えを求める人と、あくまでも自分ひとりの感覚に頼る人の二通りがいる。 酒井さんは前者で、私は後者だから、かみ合わなかったのではないか。 対話の中でこんなくだりがあった。 酒井さんがエッセイの中で何度か書いているストッキングの話だ。昔はパンティー・ストッキングという言い方をしたが、今…
2017年9月号掲載 毎日新聞夕刊報道グループ記者(当時)/藤原章生 わかり合えない溝があったのか。 先日、エッセイストの酒井順子さんにインタビューした後、少し落ち込んだ。うまく話を聞き出せないまま終わった感じがしたのだ。 それは、男と女という属性の違いなのか。私と彼女の間に感覚の違い、物を考える前提や筋道の違いがあったのか。丁々発止で話が進まなかった。 インタビューは、こちらと先方の話が3対7か4対6くらいで、向こうに語らせる時間がより多い方が効率が良い。だが、今回は5対5か6対4で、こちらがしゃべりすぎた感がある。だが、それは相手を刺激するためのもので、必ずしも、結果が悪いということにはな…
本棚には裏がある:酒井順子著のレビューです。 ☞読書ポイント 感想・あらすじ 追記 酒井順子プロフィール 合わせておすすめ ☞読書ポイント 酒井さんの鋭い考察をもって紹介される読書エッセイ。様々な時代を幅広く、しかも読み易い本を探している方におすすめ。いわゆる派生型読書が楽しめる。一冊の本から、本の枝を広げよう。 本棚には裏がある 感想・あらすじ 週刊文春で連載の「私の読書日記」。2014年10月~2023年4月分の中から39篇を選び、再構成したものだそう。酒井さんが最近どんな本を読まれているのか、ひさしぶりに紹介していただこうとワクワクです。 ジャンル分けというか、大きなテーマの括りがありま…
本日から日本のプロ野球は、セ・パそれぞれのリーグの決勝シリーズが 始まりましたです。昨年までの二年間はバファローズとスワローズが勝ち 抜いて最終シリーズを戦い抜いたのですが、それがかなり面白かったので、 今年もそうであればいいと思いながら、BSで同時に放送されていた試合を 見物することにです。 当方は関西びいきでありますので、今年の最終シリーズはバファローズと タイガースの対戦になればいいのになと思いながら、試合を見ることにです。 バファローズは日本のエースが登板で、これは勝負にならないなと思って いたら、中盤まではリードを許すことにです。ちょうどチャンネルを合わせ たところで試合を振り出しに…
カタカナでハシヤスメと記しますと、元BiSHで最近ソロになってTV番組に 出ていますハシヤスメアツコさんの顔が思い浮かびます。なかなか厳しい生き 残りをかけた活動ですが、TV画面で顔を見ましたら、ほっとするような人に なってもらいたいものです。 本日手にしていますハシヤスメな一冊は、図書館から借りた酒井順子さんの 「日本エッセイ小史 人はなぜエッセイを書くのか」であります。 2020年にリニューアルされた「小説現代」に連載されたものだそうです。 もちろん連載中には、一度も読んだことはありません。連載されていた時の タイトルは「人はなぜエッセイを書くのか 日本エッセイ小史」というもので あったと…
家族終了 (集英社文庫) 作者:酒井順子 集英社 Amazon 酒井順子とかジェーン・スーもだけど世代的なものなのか第一線でバリバリ活躍してきた人だからかなんかちょっと違うんだよな感があったのだけれど この本は納得度が高かった 日本の家族ってどうなっていくのかね?
2月の末のことだけど、京都新聞に酒井順子さんの「異次元の少子化対策」への意見が載っていた。全国に配信されている記事だったらしく静岡新聞社が全文公開しているのでリンクを貼る。 www.at-s.com 本当に酒井さんのおっしゃる通り。ずいぶん前になるが「フランス家族事情」という本を読んだ。酒井さんの書いておられる通りの結婚にとらわれない家族の形も記されていて、子育て中だったこともありとても刺激を受けた。(法制化も進みさらにこの時より数字も良い方に進んでいるようだが、フランスの家族意識のあり方がとても刺激になった。) フランス家族事情: 男と女と子どもの風景 (岩波新書) 作者:浅野 素女 岩波書…
フィクションのNHK「光る君へ」を見る ことで、紫式部本人が千年前にほんとう に存在し生きていたのだと実感する、考 えてもいなかった、光源氏がフィクショ ンであるように、紫式部もフィクション だと。 関連本を読もうと図書館へ行ったら、い っぱいあって、まずは遠巻きのエッセイ から攻めようと見つけたのが酒井順子の この本。 紫式部が源氏物語に込めた想い、書きた いという欲望はなにかを語るエッセイ。 千年前の時代も今と変わらぬ感情があり、 さらに紫式部は生きていたんだとしみじ み感じ入る。そのとき頭に思い浮かべる のは吉高だから違うんだけどね。 紫式部の欲望 (集英社文庫) 作者:酒井順子 集英社…
エッセイは、筆者の個人的な経験や考えを自由な形式で綴った文章作品です。日記と異なり、人に読んでもらうことを意識して書き、読み手の心に響く物語を紡ぎます。 1. テーマを見つける 自分のしたい研究の見つけ方 どのようにテーマを決めるのか?20分で読めるシリーズ 作者:Bowing Man,MBビジネス研究班 まんがびと Amazon エッセイの出発点は、テーマ探しです。自身の経験、関心事、社会問題など、心を動かされるものを題材にしましょう。 具体的な質問を考える 何について書きたいのか、具体的な質問を投げかけてみてください。例: 「最近、自分が変わったと思う瞬間はいつだったか?」「私が大切にして…
甲辰年二月廿五日。気温摂氏7.5/15.8度。曇のち雨(14.5mm)。台湾の花蓮でM7.7、震度6強の大地震あり。 台湾一周の旅6日目 花蓮から太魯閣 - 富柏村日剩(20040812) この日から2泊3日このあたりに遊んだ。温泉旅行。もう20年も前とは。普段でも渓谷の道を歩くと岩や大きな石が落ちてくる太魯閣である。この地震でどれほどの崖崩れなどあつたことか。数百人が渓谷の先の宿泊施設等に孤立の由。2018年の夏には台南から台北に戻るのに高雄まで南下して東部幹線で花蓮を経由して台北に戻つてゐた。 台南→高雄→台東→花蓮→台北 - 富柏村日剩(20180705) 高柳友彦『温泉旅行の近現代 』…
4月の広島、5月の女満別、10-11月のバリ島に加え 6-7月に台湾旅行を突っ込んでしまったので(航空券のみ確保) あれやこれやの準備に追われブログが手につかない今日この頃 せめて毎月恒例の「読書録」ぐらいは書き残さねば 台湾旅行の行程&宿の予約は、その後だ ちなみに今月読了した本(小説・それ以外・コミック)は以下の通り 2024.3 ●『この素晴らしい世界に祝福を! 8』暁なつめ ★※『ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち』三上延 ★★『恋歌』朝井まかて ★『首里の馬』 高山羽根子 ★★『アンチェルの蝶』遠田潤子 ●『むかしむかしあるところに、死体がありました』青柳碧人 ★★『…
3月は久しぶりに読書の火が付いて1週間に1冊読みました。読まない月はゼロで終わってしまうので、この熱がもう少し続けばいいな。読んだ本の感想を残しておきます。 ①この場所であなたの名前を呼んだ 加藤千恵 講談社 NICU(新生児集中治療室)を舞台にした、 小さな命をめぐる感涙の物語。 著者の経験を元にした新たな代表作誕生! 新生児仮死で生まれてきた赤子の母、 胎児に染色体異常があると告げられた女性、看護師、臨床心理士、清掃員、医師ーー さまざまな視点から描かれる、NICU(新生児集中治療室)という「この場所」。 小さな命のきらめきに、こんなにも心を動かされる。 医療現場を舞台に著者が新境地を拓い…
NHKドラマの「冬の終り」いいドラマだなと思って見てたのだけど、主人公の夫が育児に無関心である描写にはちょっと気持ちが沈んでしまった。というのも最近、学生時代の友人に会って、彼女の夫が全く家事をせず育児にも参加しないと聞いたからだ。愚痴るでもなく諦めたよう言うので、私はつい「なんで夫にもっと家事をしてほしいと言わないの?」と言ってしまい、黙った彼女を見てすぐにめちゃくちゃ後悔した。 自分も家事、育児の分担では夫と散々揉めてきた。泣きながら夜中まで話し合ったこともある。今は一応、分担しながら何とかやっている。でもそれは自分の環境(実家が近いとか、夫も私も会社員として働いてるとか)、そういう状況に…
自壊する日本の構造 長谷川雄一ほか みすず書房 家トレ入門 Tarzan マガジンハウス ムック 地球行商人 黒木亮 中央公論新社 旅は暮らしの深呼吸 本多さおり 集英社 地方私鉄の記録 南関東編 フォト・パブリッシング 小澤征爾とウィーン 音友ムック 伊豆文学散歩 長倉書店 百年の女 酒井順子 中公文庫 明日晴れたら日帰り旅行へ 山本あり 平凡社
男同士の奇妙な連帯感というものは、ときに唐突にやってくるものである。 その日も偶然だった。 若かりし時分、およそ20年前の話になるが、以前に働いていた勤務先での出来事である。 その日、少々、気の重くなる、憂鬱な仕事をまわされたのだが、それは自分と直属の上司、そして社長の3人で、近々に立ち上げ予定の出張所候補物件を見に行くという仕事だった。 当時の自分は20代後半、上司はアラフォー、そして50代後半の社長という、世代がまるで異なるメンツで、社用車で現地へと向かうという出張日帰り業務である。 そもそも自分はこの件に関してそれほどタッチしていなかったのだが、現地でも細かく移動するためクルマを運転する…
かつて福島に芦ノ牧温泉劇場というストリップ劇場があり、そこでは「潮吹きショー」を披露する中川マリというストリッパーがいた。体調不良で彼女が現役を退くと共に、芦ノ牧温泉劇場もそのまま閉鎖された。2018年6月のことだ。 2019年2月に、マンガ雑誌『イブニング』(講談社)でストリップレポマンガを連載することが決まっている菜央こりんの制作した同人誌『ストリップ劇場遠征女 サラバ! 福島編』には、閉館直前の芦ノ牧温泉劇場の様子が載っている。 年配の女性が客席に話しかけながら脱いでいき、最後は潮を吹く。雑談を交えながらおっぱいをさわらせてくれる、タッチショーの時間もある。芦ノ牧温泉劇場でのストリップに…
最近、平安時代の5人の女子たちを紹介する古典エッセイ「平安ガールフレンズ(酒井順子 著)」を読んでいます。 平安ガールフレンズ (角川文庫) 作者:酒井 順子 KADOKAWA Amazon 菅原孝標女のパートで、古典の教科書などでも有名な念願だった源氏物語全巻を手に入れて「この喜びに比べたらお后の位なんていらないわ!」とか言って源氏に没頭するシーンを読んで、なんか良すぎてちょっと涙ぐんでしまった(情緒不安定)。 私には最近とってもハマっているアニメ(源氏物語とは全然関係ありません笑)があるのですが、SNS上での評判があまりいい方ではないらしく、結構批判的な意見を見かけてしまいます。 その度に…