日本残酷物語5 作者:宮本常一,山本周五郎 平凡社 Amazon 最終巻は明治以降の貧困がテーマとなっている。 都会のスラム、北海道のタコ部屋、遠洋漁業、炭坑、農業などの現場について紹介される。 北海道に住んでいたときに通った道路やトンネルの多くがタコ部屋労働によってつくられたとおもうと歴史はまだ生きていると感じる。 日清・日露戦争後、傷痍軍人は世の中で差別を受けた。この現象は、ちょうど最近読んだソ連に関する本『Secondhand Time』にも登場する。 (ソ連は)ドイツという豊かな国に勝利したが、ソ連兵たちは帰国すると貧しい配給品のために 数時間も列に並んだ。 傷痍軍人は母国では特に忌み…