◎病棟日誌 悲喜交々4/25 「女性はひとり」 妻子を駅まで送り、その足で病院に行くと、ガラモンさんが車椅子に乗せられて移動していた。椅子を押していたのは師長だ。 「自覚症状がないけど頻脈だと言うから」 脈が120/分あるとのこと。そりゃ確かに多い。 ガラモンさんは、二年前くらいに大動脈が完全に塞がり、心停止したことがある。心臓にはバイパスが入り、それ以後は脇の下に装置が入った。ペースメイカーではなく、心臓が止まった時に作動し、電流を送るものらしい。 ガラモンさんは数少ない病棟の先輩の一人で、もはや当方より先輩は三人しかいない。 五十台のAさん(女性)は、つい先週、首の血管を人工血管に取り換え…