社主の涸沢純平さんが奥様とお二人でやっているミニ出版社。 関西で活動を行っている作家、詩人にとって方舟のような存在。 活動を開始して35年を超えるが、いまだに家内制出版を守る。 その活動は、眼の肥えた読書人に支持されている。 ここから作品を刊行した作家、詩人には山田稔、足立巻一、 富士正晴、杉山平一、天野忠、川崎彰彦などがいる。 「塔和子全詩集」「富士正晴詩集」「木村庄助日誌」等の 刊行業績により2006年「梓会出版文化賞特別賞」を受賞する。
本日はお天気がよろしで気温もあがりました。これは庭仕事をしなくては と支度をして、バラの剪定とか風避けを外すことといたしました。本日は風も なくて、作業をしていたら、すこし汗ばみました。 作業をしていましたら、郵便屋さんが編集工房ノアからの「海鳴り」36号を 届けてくれました。いつもながら編集工房ノアさんに感謝であります。作業の 手を休めて開封し、今回の目次だけを確認することにです。 今回も山田稔さん、荒井とみよさん、涸沢純平さんの名前がありまして、 これは楽しみなことであります。ちなみに今回の表紙は、次のものとなりです。 編集工房ノア 海鳴り36号 山田稔さんは「こないだの色」ということで、…
昨日のブックオフで購入した本の続きであります。昨日は単行本二冊と文庫本 一冊を確保したのですが、単行本のもう一冊は「編集工房ノア」のものでありま した。 市内の本屋でノアの本を見つけたら、買わなくてはいけないと思っているので すが、ブックオフでとなると、これはマストです。 ということで、昨日に確保したノアの本は、「小説の生まれる場所」でありまし た。この本は編集工房ノアの目録で見ておりまして、買おうかなどうしようかなと 思っていました。 表紙にありますように「大阪文学学校講演集」となりまして、文学学校開校 50年記念出版となります。刊行は2004年でして、この本の担当理事さん は細見和之さんで…
本日は昨晩からの雨が続いていて、予定していた庭仕事はすることができま せんでした。お天気が回復したら、明日にすることにです。 晴耕雨読ということであれば、室内で本を読むということになりますが、とこ ろがどっこいで、YouTubeなどを見物することになってしまいました。YouTubeは まっこと読書の敵であります。 午後からは久しぶりに床屋へと行くことになりです。いつ以来なのか髪の毛の 量は少ないのですが長くなって、くせ毛のために毛先がカールしたりするので、 いいじじいがそれはないだろうと、30分で終わる床屋へといって、いつものよう に耳にかからないようにと言ってカットしてもらうことにです。 こ…
昨日に引き続きで編集工房ノアから届いた荒井とみよさんの「物ぐさ道草」を 話題とすることにです。 この本は、多田道太郎さんにまつわる本なのですが、当方は「俳句の師は小沢 信男」という文章を、繰り返して読んでおります。 そもそも書名に使われている「道草」というのは、多田道太郎さんの俳号であり ますからして、小沢さんの存在感も大きいのでありますよ。 荒井さんの文章には、小沢さんの著作が紹介されていることから、小沢さんの 本を取り出してきて、多田さんへの言及を確認したりです。 「通り過ぎた人々」と「小沢信男さん、あなたはどうやって食ってきましたか」 はすぐに引用されている文章などをチェックすることがで…
関西に4日ほど滞在して、本屋の前を幾度か通ったはずでありますが、 一度も足を踏み入れることなしに、帰路につくこととなりました。理由は LCCの荷物制限にひるんだせいであります。(ちなみに北海道で降り立って、 家人が声をかけた女性たちは、大阪城ホールでのエレカシ35周年のTシャツ を着用していて、一見で同好のお仲間とわかるのでありますが、シャツを見せ びらかしたくてではなく、荷物制限をクリアするために、身に着けることが できものは、何枚も重ね着して、荷物を減らしているといっていました。 皆さん、ご苦労をなさっています。) 一乗寺恵文社の前を通った時には、そういえば編集工房ノアの新刊をチェッ クし…
富岡多恵子さんが亡くなったとの知らせに目にして、小野十三郎さんの本を 引っ張り出してくることになりです。 編集工房ノアから1983年に刊行となったものを、当方が購入したのは、 十年くらいも前でしょうか。ほとんど読むこともなしでありましたが、富岡さん の訃報のおかげで、富岡さんに関するところをつまみ読みから始めることになり です。 小野十三郎さんは1903年生まれで1996年に亡くなったのですが、この 世代の人が書いたものは、ほんとうによろしいことです。 若い頃から付き合いのあったアナキスト詩人などは、この「日は過ぎ去らず」で 目にしなくてはほとんど知ることもなかったでありましょう。 「植村諦は…
昨日はまるで意識をしておりませんでしたが、井上ひさしさんの祥月命日であ りました。そのせいなのかな、古い「父と暮らせば」を録画したビデオテープを デジタル変換しながら、この舞台を見ることになったのは。すまけいさんは、 井上ひさしさんがやってらした「こまつ座」のただ一人の俳優であった時期があ りましたです。一時期舞台を離れていた幻の役者であったすまけいさんが復活し たのは、井上ひさしさんのおかげでありましたものね。 毎日がどなたかの祥月命日でありまして、また日々新たにそこに加わって、あ ちら側の世界はにぎやかになるのでありました。 ここひと月ほどでも、大江健三郎さん、坂本龍一さん、畑正憲さんなど…
昨日に引き続き「海鳴り」35号から話題をいただくことになりです。 どうしても、山田稔さんの書いたものに話がいってしまいます。昨日にも 言及しましたが、今回のタイトル「本棚の前で」というのは、2019年の 31号にあるタイトルを踏襲しています。 山田さんの書棚にある本から話題をとったエッセーとなります。35号では、 耕治人さんと小田仁二郎さんの本が取り上げられています。 エッセーで最初に話題となるのは耕治人さんの「全集」でありますが、この 本を電車のなかで読んでいる人の書いた文章が、冒頭で引用されます。 秋葉直哉さんが「ぽかん」9号に発表した「孤独な星の光り」という文章の一節 となります。 秋葉…
当地に桜前線はまだまだ近づいてきませんが、一足はやく「海鳴り」は届き ました。編集工房ノアさん、いつもありがとうございます。 ここ何年かは4月の早々に「海鳴り」は届くようになりまして、この場では届き ましたら、すぐに話題としておりまして、ほんとにこの時期は、これが届くのが 楽しみなことになっています。 編集工房ノアのミニマガジンで、それに出版目録がついているのですが、これ を無料で配布してくれるなんて、なんとノアさんは太っ腹なことかでありますか。 もちろん、左団扇にはまるで縁のない小出版社でありますので、すこしでも応援を しなくてはです。 ということで、「海鳴り」35号の表紙は、以下のものです…
昨年の暮れに林哲夫さんのブログを拝見しておりましたら、5月に京都であり ました山田稔さんと黒川創さんのトークイベント記録「思いだす、書き残す」と いうのが恵文社一乗寺店から刊行されたとありました。 sumus2018.exblog.jp 編集工房ノアから「某月某日 シネマのある日常」の刊行にあわせてのイベント であったとのことです。コロナがいまだに収まらずでありましたので、入場制限 などの対策をとったうえでのイベントだったようです。 山田稔さんは92歳になっておられますし、黒川さんは37年ぶりに京都に居を移し たとありますので、そういういくつかのことが重なったなかでの企画であったよう です。 …
京都の文学者たち、なんだか好きだなぁ。 2015年4月19日 「1921年に二十の岡崎みち子さんはいま八十七歳。まだどこかで元気に暮らしていればいいと思う。私はその八十七歳の老女とともに「ヘンリ・ライクロフトの私記」を読み返す。彼女がうかべる微笑を想像すると、私の口もともほころびてくる。自分の人生は終わった、と感じることはすこしさびしく、そしてなんとうれしいことだろう。なにか元気のようなものまで湧いてくる。やっと自分というものが、わかりはじめるからだろうか。」特別な一日 読書漫録 山田稔 編集工房ノア ここに「今日の言葉から」を書き始めてから,本箱から気の向いた本を取り出して,線が引いててある…
2024.3.28.(木) ゆっくりと目覚める。久しぶりによく寝られた。 シャワーを浴びて、着替え、朝食をとりにホテルを出る。四条烏丸近辺に泊まった時には毎回前田珈琲本店でモーニングを頼むことにしている。今回も同じ。職場に向かう人々の流れに混じってのんびり店まで歩くのは京都に泊まった朝の喜びとなっている。 朝食を終えてホテルに戻り、支度を整えてチェックアウト。昨日の買い物ですでにボストンバッグは肩に食い込む重さとなっている。まずはこちらをロッカーに預けないことには動き回れない。京都駅のロッカーはまだ午前中ということもあり、すんなりと空きが見つけられた。 身軽になって地下鉄に乗る。昨日、たまたま…
3月も半ば近くになって、日差しが強くなってきていることで、日中はストーブ を消していても過ごすことができるようになりました。朝にTVで「趣味の演芸」を 見ておりましたら、ブルーデイジーの特集でありました。寄植えにもぴったりの ブルーディジーで、我が家でも毎年苗をいくつか買って育てているのですが、 春を感じさせる日差しの日に、こうした番組を見ますと、園芸店へと行きたくなる ことです。もちろんこちらの園芸店は、この時期はいまだ開店休業中であるので すが。 本日から相撲大阪場所が始まることになりです。たまには初日の最初の一番 から見物してやりましょうと、朝9時からでのネット中継を見守ることです。 序…
山田稔 (2010年10月17日刊行、編集工房ノア、大阪, 205 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-89271-186-2)このエッセイ集には、多田謡子の父親が登場する:「転々多田道太郎」(pp. 176-202)。【目次】 富来 6 マビヨン通りの店 18 シャンソンの話 30 ニーノさんのこと 46*敬老精神 54 小沼丹で遊ぶ 58 はじめての同人雑誌——「結晶」のこと 64 松川へ 77*前田純敬、声のお便り 96 後始末 110 一徹の人——飯沼二郎さんのこと 134 生島さんに教わったこと 157*転々多田道太郎 176 初出一覧 204
山田稔 (2018年6月1日刊行、編集工房ノア、大阪, 285 pp., 本体価格2,000円, ISBN:978-4-89271-292-0)所収されている “ポルトレ” のひとつが「ある祝電——多田謡子さんのこと」(pp. 100-110)だった。【目次】Iある講演会 10 手招き 24 〈あと一円〉の友情 35 形見分け 55 「どくだみの花」のことなど 62 「季節」を出していたころ 68 富士びいき 85*ある祝電——多田謡子さんのこと 100 樹と猫と 111 書く習慣 127II芸としての頓死 142 〈居たたまれぬほどに美しい話〉 146 褒められて 151 名付け親になる話 …
2022年12月、編集工房ノアから刊行された橋田繁文(1951~)の第1詩集。著者は奈良県天川村洞川生まれ、刊行時の住所は吉野郡吉野町上市。 目次 Ⅰ 春の時計 西陣界隈 証(あか)し ツェランよ 四十雀(しじゅうから) 夏蟬はうたう 帰路 室内 花 星屑 あお空 耳を澄ませて きみに 小さかった比文に そら 冬日(ふゆひ) 炭を焼いた日 面影 グレーでいい 客 スケッチ 茫々 星をすくう いわつばめ わたし 閉鎖系 欠片(けっぺん) 日月 小感慨 少年 某月 はなの歌 Ⅱ 春の仕掛け まふみと散歩したとき 六月は 夏の終わり 孟秋の午後 富士正晴に 別れに 廣重聰をおもう 青 冬がきたよ へ…
荒井とみよ (2023年3月15日刊行、編集工房ノア、大阪, 252 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-89271-366-8 → 目次)読了。早逝したひとり娘・多田謡子のことは最後の最後に出てくるが、もう少し深く描いてほしかった気がする。著者のこの “距離感” だとあまり書けなかったのかもしれないが。編集工房ノアの広報誌『海鳴り』31号(2019年3月)に、荒井とみよ「多田謠子さんのこと」という記事が掲載されているらしいが未見。
26日(月)時間が過ぎるのは早い。数日前から断捨離を進めている。寝室に置いてあった長年使っていた机を処分して、座り机だけにした。座り机を窓側に移動したので気分がいい。机の中の引き出しを整理した。ここには貴重品がしまっていたので、慎重にチェックをした。病院関係のもの、銀行関係のものを入れていたので、整理して別のところに移動。文具類は現在使っている机の周辺に合流させ、5センチほどの鉛筆や、もう書けなくなったボールペンは処分。文具類は楽しいものがたくさんある。メモ帳や付箋、絵葉書などもまとめた。小学校の時に使っていた定規類やハンコもでてきた。なんでこんなものまでとってあるのかと思うが。。。消しゴムも…
荒井とみよ (2023年3月15日刊行、編集工房ノア、大阪, 252 pp., 本体価格2,200円, ISBN:978-4-89271-366-8)【目次】一章 「日本小説を読む会」 7山田稔という相方 8 「私は沢田閏に似ている」 40ニ章 兵隊体験 57「戦争をどう通ったか 豆自分史」 58 野間宏『真空地帯』をめぐって 79三章 「不安神経症」時代 97『変身 放火論』の「金閣寺」 98 二つの共同研究 117四章 『複製芸術論』から「風俗学」へ 139いちびりの精神 140 人の観察 ——『しぐさの日本文化』 159 風俗の観察 ——「複製人類学」 178五章 遊ぶ文体 193「ブル…
本日に注文してあった「読書アンケート 2023」が届きました。 これまでは「みすず」の特集号として出ていたものが、単行本(というか雑誌) の形ででるようになったもの。これが定着してくれましたら、これからもずっと 手にすることができるということですね。 この本を手にして一番最初に思ったのは、そういえば、昔の雑誌ではこのよう なのを特集にしたものがあったなということです。頭に浮かんだのは「リテレール」 でありました。安原顕が亡くなったのは2003年とありますので、もう20年も昔の ことになります。 読書アンケート2023――識者が選んだ、この一年の本 みすず書房 Amazon 今回も気になる方が何…
倉橋健一『宮澤賢治ーー二度生まれの子』(未来社)は、30年以上前に刊行された賢治論を増補し復刊したもの。だが全く古びていない。詩人でもある著者の思索の言葉は、賢治についての固定観念を次々と打ちくだく。とくに「中原中也の関心」と「二度生まれの子」の章は興味深い。1923年から2年間京都に滞在した中也は、恐らくその間に富永太郎を介し賢治の詩を知ったという。やがて『春と修羅』の生命力に震撼させられ、空虚なダダイズムの方法から離れ始める。 中也は「宮澤賢治の詩」で書く。「彼は幸福に書き付けました、とにかく印象の生滅するまゝに自分の命が経験したことのその何の部分をだってこぼしてはならないとばかり。それに…
2011年4月、編集工房ノアから刊行された林堂一(1932~)の第4詩集。装画は粟津謙太郎、装幀は森本良成。著者は福岡県生まれ、刊行時の住所は吹田市。 目次 尺取虫 琥珀 スカラベ 天と地と まどさんの虫眼鏡 螢 クリケット 熊ん蜂 ミスジシリアゲ グレゴール・ザムザ 蟻地獄 ウスバカゲロウの母娘(おやこ) 蟻さん スウィート・バジルの客人(まろうど) 栗の虫 蓑虫 虫の居所 後ずさり 蟬 蟬 十七年蟬 百足 あおむし 脱皮 ナナフシ トンボとモンシロチョウと案山子 かまきりとかまきり 蟻 蝶と蜻蛉 空蟬 勁き蟻 ゆすりか かまきり ハンミョウ ハンミョウ 蚊 グラスホッパー 繭 書評等 詩は…
帰宅して夕食。食後に岩泉ヨーグルトを食す。ラジオでヨーグルトマニアの人が勧めていたヨーグルトで、大谷翔平が唯一食べているヨーグルトと紹介されていて興味を持って取り寄せてみた。無糖と加糖があるが、無糖の方が好み。粘着のあるコクのあるヨーグルト。 ヨーグルトを食べ終わったら、インターホンが鳴る。届いたのは京都善行堂からのユーパック。 中身は2冊の本と善行堂のトートバッグ。 -山本善行 撰「衣巻省三作品集 街のスタイル」(国書刊行会) -『ぽかん』10号 「街のスタイル」は衣巻省三というモダニズム作家の詩と小説を収めた作品集。自分にとっては未知の作家。稲垣足穂の同窓(同級生とも下級生とも)で、佐藤春…
昨年の大晦日に単身で帰省した息子が、前から確保を依頼してあった 「ぽかん10号」を持参してくれました。彼は京都に住んでおりまして、用事が あって一乗寺に行ったおりに、恵文社で購入してくれたものです。 恵文社と彼のおかげで、このところ「ぽかん」の確保で苦労することはあり ませんです。ありがたきかな。 ぽかん 10号 年明けから、すこし余裕のないことでありましたので、せっかくの「ぽかん」も さっぱりなかをのぞくことができておりません。まったく楽しみにしていたわりには 冷たいことで、かろうじて山田稔さんの「Mさんのこと」を読んだのですが、あとが 続いていません。 そんなときに、京都新聞で「ぽかん10…