哲学者。 専門は、現代思想、生命学、倫理学。id:kanjinai。 hatenaでは哲学系チームブログG★RDIASのメンバー。
1958年、高知県生まれ。 1988年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学(倫理学)。 1988年4月、東京大学文学部助手。 1988年10月、国際日本文化研究センター助手。 1997年4月、大阪府立大学総合科学部助教授。 1998年4月、同教授。 2005年4月、大阪府立大学人間社会学部人間科学科教授。
詳細については、本人による著作一覧を参照のこと。 http://www.lifestudies.org/jp/library00.htm
以下、最近の著作。
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哀しい、ツイッターのアカウントが永久凍結されてしまった!昨日のつぶやきがまずかったか。先日10月13日、ミヤネ屋を見た後、例の団体に関する漫画冊子らしきものを、ネット上に見つけた。それをつぶやいた。そしたらこのざま・・・何らかの圧力か?フォロワー400人しかいない弱小アカウントなのに!でもハッシュタグをつけてたのがまずかったか。特定の一個人を攻撃したわけではないし、誰かの人格や人権を侵害したわけでもない。表現の自由の範囲内でしょ…頼むよ、イーロン・マスクさんよ。 異議申し立てをしたが、期待はできない。この記事もヤバいか、別にこの記事は太田光の人格を否定したり中傷しているのではなく、太田氏の発言…
『まんが 哲学入門 生きるって何だろう?』/森岡正博 寺田にゃんこふ 講談社現代新書 まんが 哲学入門――生きるって何だろう? (講談社現代新書) 作者:森岡 正博,寺田 にゃんこふ 講談社 Amazon これは面白い!時間論、存在論、「私」とは、生命論について、まるいキャラクターと先生の問答方式。こんな絵の漫画…と思ったらこれがまた思考を邪魔しないアクセントでいいのだ。 これは特定の哲学者の論を解説しているのではなく、著者の森岡氏の論なのだ。これがまた漫画だとここまでイメージしやすいのかとびっくりする。 時間論はすごくいい。現在過去未来。図にするのは違うのだろうが、伝わる。 根源的な人間が知…
森岡正博『人生相談を哲学する』(生きのびるブックス、2022年) 「今年は詩を書きたいと思っています。」 「生きにくさ」という幸福。 生きている限り持ち続ける、小さな光の結晶。 「今年は詩を書きたいと思っています。」 私は結局、今という時代を生きにくいと感じている人たち全員に共通することは書けなかった。生きにくさの内実は人それぞれに違うはずだから、一般論を書くことはできない。しかし、ひとつだけ言えることがある。《今みたいなこんな時代》を楽しく生きられることより、生きにくいと感じられる方が、本当のところ幸せなのではないか。人生としてずっと充実しているんじゃないか。 これは幸せ・不幸せを定義すると…
『救いとはなにか』 森岡正博 山折哲雄 筑摩選書 救いとは何か (筑摩選書) 作者:森岡正博,山折哲雄 発売日: 2018/09/21 メディア: Kindle版
今回のまとめは以下の論文です。森岡正博 (2016)「「誕生肯定」と人生の「破断」を再考する ― 生命の哲学の構築に向けて(8)」『現代生命哲学研究』第5号、pp.13-27 今回も、森岡正博さんの「誕生肯定」論と関係する内容、というよりは以前の議論を補う内容になっています。「破断」を中心とはしていますが、「誕生肯定」論全体にも多少のアップデートが見られます。
今回のまとめは以下の論文です。森岡正博(2015)「「人生の意味」は客観的か-T・メッツの所説をめぐって ― 生命の哲学の構築に向けて(7)」『現代生命哲学研究』第4号、pp.82-97 サディアス・メッツ(Thaddeus Metz)『人生の意味:分析的研究(Meaning in Life: An Analytic Study)』を批判的に検討しながら、「人生の意味」の問題を考察するものです。たびたび触れている「誕生肯定」論とも関係してくる内容かと思います。
感じない男 (ちくま新書)作者:森岡 正博筑摩書房Amazon 世間に蔓延する制服フェチやロリコンの原因を「男の不感症」に求める森岡正博の『感じない男』がすごいのは、やはり男の性にまつわる体験や嗜好を徹底して一人称の主語で語っているところだろう。「男とはこういうものだ」といった表現は、発言者の顔を隠し、各々の違いを無視したところで成り立っている。しかし、性という話題について、そうした一般化をしないで語るというのは、大変な勇気がいることである。大学教員である著者が制服美少女に惹かれるとか、自分がロリコンだったことを認めるのだから、それはなおさらである。 森岡はロリコンを「年若き少女に対して性的に…
自分と向き合う「知」の方法 (ちくま文庫) 作者:森岡正博 筑摩書房 Amazon 【24/04/09】 登録当時の記述なし。再読したいものの、なかなか手にできないでいる。
2024-04-13 (土)(令和6年甲辰)<旧暦 3 月 5 日>(先勝 丁未 五黄土星) Artur Douglas 第 15 週 第 27454 日 「是非もない」と言へば、「さうなってしまったのなら仕方がないさ」といふ響きがある。織田信長が本能寺で明智光秀の謀反を知った時、信長は「是非におよばす」との言葉を発したといふ。この言葉の元々の意味は「良いも悪いもない」といふ意味であると思ふ。今週の日本経済新聞木曜日夕刊の森岡正博氏の「誕生肯定の難しさ」といふ読み物も面白かった。文中にある「もし、私が生まれてきたことに良いも悪いもないとすれば」といふ仮定が深遠なのである。実は、世の中のあらゆる…
Halttunen, K. “Humanitarianism and the pornography of pain in Anglo-American culture.” The American historical review vol. 100,2 (1995): 303-34. 今日は、痛みの文化史的な研究、特に英米系文化圏における人道的博愛主義と痛みのポルノグラフィーの関係についての論文を読んでいた。30年ほど前の研究ではあるが、この手の研究はあまり時間経過を考慮しなくても問題なかったりするので有難い(もちろん最新の研究動向は追ったほうが良い。あくまで程度の問題である)。個人的には…
2024-04-05 (金)(令和6年甲辰)<旧暦 2 月 27 日>(仏滅 己亥 六白金星) Irene Irja 第 14 週 第 27446 日 日本経済新聞は朝刊よりも夕刊の方を僕は読む。夕刊の「プロムナード」や「明日への話題」は割と楽しい読み物であるが、毎週木曜日夕刊の森岡正博氏の記事を特に楽しみにしてゐる。「反出生主義」をキーワードに毎週いろいろな切り口から話題が提供されてゐる。書かれてあることに共感することが多い。最初に気づいたのは2月中旬で、その時もブログで感想を書いたが、それ以降も同じ話題で毎週記事が続くことが驚きであった。先週の「完璧主義の罠」も面白かった。「ものごとにほん…
【オンライン】3月16日(土)13:00~17:15 『人生の意味の哲学入門』(春秋社)公開シンポジウム 鈴木生郎、長門裕介、古田徹也、山口尚。(司会:蔵田伸雄、森岡正博) list-waseda-jp.zoom.us 人生の意味の哲学入門 春秋社 Amazon 現代思想 2024年3月号 特集=人生の意味の哲学 作者:古田徹也,森岡正博 青土社 Amazon
午後にコーヒー飲みながら観るには重すぎる映画です。
2月は水俣にいました。昨年から、長く滞在するようになり、「調査」という形で質問をして現地の情報を得ることよりも、親しい人たちと近況をお話しする機会が増えました。私はずっとセネガルの話をしていました。 経済発展を心から願い、貧しい暮らしから脱しようとするセネガルの人たちと、高度成長期に公害が起きた水俣の地がオーバーラップして見えることがたびたびあります。いま「環境問題どころではない」という人たちのリアリティに直面して、改めて水俣の歴史に向き合っています。水俣とは何度も出合い直すし、なにかあれば水俣を思い浮かべるけど、私は全然地元の人ではなく、ほかのところに行ってしまう研究者であるということを、今…
2024-02-16 (金)(令和6年甲辰)<旧暦 1 月 7 日>(先勝 庚戌 二黒土星) Julia Julius 第 7 週 第 27401 日 日本経済新聞の夕刊コラム「明日への話題」で、森岡正博氏が「反出生主義」について書いてをられた。いま生きてゐる人間は、本当は生まれてこない方が良かった、そしてすべての人間は子どもを産むべきではない、といふ考へをいふらしい。そんな考へ方があることに驚いた。驚きはしたが、実をいふと、僕は地球と人類の未来はどうなるかわからないから、こんな時代に生まれてくる子どもたちはずっと一生幸せでゐられるかなとか、思ったことはある。今の地球に人間が増えすぎたのは事実…
少し前になるが、日経新聞のコラム「あすへの話題」に、哲学者の森岡正博さんが書かれた「人生の問いと哲学」という文章が心に響き手元に残してある。 森岡さんによると人生の意味について考えるとき、二つのアプローチがあるという。 一つは「人生に意味を与えるものは何か」そしてもう一つは「そもそも人生が存在する意味は何か」。 まず「人生に意味を与えるものは何か」については社会に貢献するような仕事ができたときに人生は有意味になるとか、自分の設定した目標を達成できたときに人生は有意味になる (日本経済新聞 2024年2月1日 夕刊) との答えが提案できると、森岡氏は書かれる。 私のような凡人は大きな事業に成功し…
"You can check out any time you like / But you can never leave..." -- The Eagles 少し遅めに起床。髭剃り、しばらくメールの返事など。 遅めに朝食。それからまたメールの返事と某翻訳チェックなど。 お昼前に家を出て、京都駅へ。お昼の新幹線に乗る。 S Workという車両に乗って某オンライン会議。AirPods Proだとやはりノイズが入るようなので、次回は別のマイクを使うことにしよう。みなさんにご迷惑をかけて申し訳なかった。それから某会議の準備。お昼は作っていただいたお弁当。 昼下がりに品川着。新橋に移動し、内幸町の貸…
最近読んだ本を紹介するぜ! 森岡正博・蔵田伸雄編著『人生の意味の哲学入門』 掌田津耶乃『作りながら学ぶWebプログラミング実践入門』 次田瞬『意味がわかるAI入門』 立中順平『たてなか流クイックスケッチ』 森岡正博・蔵田伸雄編著『人生の意味の哲学入門』 人生の意味の哲学の入門書。 私はデイヴィッド・ベネター先生のファンなので、ベネター先生が登場する3章と6章がおもしろかった。 そもそも人生の意味を(分析)哲学的に論じることなんて可能なのか? と迫るような論考も多かった。それじゃあダメじゃんとも思うが、そうだとしたらそれがわかっただけでも大いなる前進かもしれない。 本書を読んでも人生の意味がわか…
身体なき器官 作者:スラヴォイ・ジジェク 河出書房新社 Amazon 『身体なき器官 』スラヴォイ・ジジェク著 長原 豊訳を読む。 いままでいろいろ読んできたジジェク本の中で、ぼくには、いちばんポップで、軽いように思える(ジジェク本比)。標題はご存知、思想界の藤子不二雄、ドゥルーズ=ガタリの『器官なき身体』をひっくり返したもの(最初はアルトーだよといいたい人に、ツッコミ防止で付記しておく)。 いきなり、こんなことを。 「哲学史におけるあらゆる偉大な『対話』は、多くの場合、誤解である。アリストテレスはプラトンを誤解し、トマス・アクィナスはアリストテレスを誤解し、ヘーゲルはカントとシェリングを誤解…
森岡正博さん。「最近、『人生の意味とは何か』を正面から考えようという動きが、世界の哲学界で起き始めている。この哲学ジャンルを『人生の意味の哲学』と呼ぶ。人生に意味があるかどうか、あるとしたらそれはいったい何なのかというのは、人間が生きていく上でとても大切な問いだからである。もちろん哲学であるから、『人生の意味は✕✕である!』というような一方的な説教などするわけではない。たとえば人生の意味とは、社会に何かの貢献をすることだろうか。しかしそのような貢献をした人物が、『たしかに自分は社会貢献をしたが、だからどうしたというのだ? 自分は人生を仕事にばかり捧げてしまい、本当に大事なことを何もできなかった…
1・松本清張『昭和史発掘』(全九巻、文春文庫) 2・立花隆『天皇と東大』(全四巻、文春文庫) 3・清水晶子・ハン・トンヒョン・飯野由里子『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』(有斐閣) 4・森岡正博『生まれてこないほうがよかったのか? 生命の哲学へ!』(筑摩選書) 5・ジョリス=カルル・ユイスマンス『さかしま』(澁澤龍彦訳、河出文庫) 6・サマセット・モーム『金原瑞人MY FABORITE 征服されざる者 The Unconquered/サナトリウム Sanatrium』(青灯社) 7・Joyce Carol Oates, "Where Are you Going, Where Have Y…
12/4 石濱裕美子『物語 チベットの歴史』(中公新書) 12/5 ゆずソフト『天使☆騒々 RE-BOOT!』 12/11 アンソニー・ドーア『すべての見えない光』(ハヤカワ epi 文庫) 12/12 ゆずソフト『サノバウィッチ』 12/12 繁田信一『陰陽師―安倍晴明と蘆屋道満』(中公新書) 12/13 宮崎市定『科挙 中国の試験地獄』(中公新書) 12/18 斎藤英喜『陰陽師たちの日本史』(角川新書) 12/18 ゆずソフト『千恋*万花』 12/19 落合淳思『殷 ―中国史最古の王朝』(中公新書) 12/22 森岡正博、蔵田伸雄 編『人生の意味の哲学入門』(春秋社) 12/25 ゆずソフ…
無痛文明論 作者:森岡 正博 トランスビュー Amazon 『無痛文明論』森岡正博著を読む。 痛みは麻酔で、寒さや暑さはエアコンディショナーで、糞便は水洗トイレで、死は病院で、死体は火葬場で、ゴミは所定の曜日・場所に置けば、いつの間にか清掃局が片づけてくれる。かように、現代は、「快適」「心地良い」「アメニティ」の類の言葉で構築された「無痛文明」社会である。 「苦しみ」や「つらさ」や哀しみ、不快なものは、ことごとく隠蔽され、あるいはスポイルされてきた。しかし、無痛文明を享受しているのは、いわゆる先進諸国の一握りの人々であり、―もちろん、ぼくも含まれているが―それを支えているのは、圧倒的な多数の人…