「大川原化工機」(横浜市)の機械輸出を巡る冤(えん)罪事件で、勾留中に体調を崩し「被告」のまま亡くなった元顧問の親族が拘置所医療の改善を訴えて国に損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、東京地裁である。判決を前に、国際的な人道ルールからみて不十分な刑事施設の医療の在り方、罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」との関係を考えた。(山田雄之) ◆「父が死ぬのを待っているんだな」と感じた 相嶋静夫さんが拘置所で記録していたメモ。「貧血」「便が出ない」と体調不良を訴える言葉が並ぶ=相嶋さんの長男提供 「ただごとではない状態なのに治療が一向に始まらず、父が死ぬのを待っているんだなと感じた。現在の拘…