さて明治時代に行われた廃藩置県のまえ、兵庫県は摂津・丹波・播磨・但馬・淡路の五つの旧国に分かれていた(下図)。 旧国名の配置。現・岡山県の美作・備前の一部も含む。 これを見ると、兵庫の顔である神戸市や西宮市、尼崎市は全て「摂津国」に含まれていたことになる。すなわち、大阪駅~神戸駅までの阪神間の大都市は全てこの国の領域内で、加えて大阪市の大部分も摂津国であった。このことからも、摂津国は皆さんが持つ「関西」「大阪」「神戸」のイメージ全てを凝縮した、関西の代表国と言って良いであろう。また甲子園球場や鳴尾浜球場もこの地域にあり、明治以前にプロ野球が存在したならば、阪神タイガースは「摂津タイガース」と呼…