「送信させ」までをわいせつ行為とするものが増えてきました。 高裁レベルでは、「撮影させ」までなら強制わいせつ罪になって、「送信させ」はわいせつ行為には含まれないとされていて、地裁でこの高裁判例を紹介すると、「送信させ」が引っ込んだりします。東京高裁平成28年2月19日 そして,③については,画像データを送信させる行為をもって,わいせつな行為とすることはできない。 以上のとおり,原判決が認定した事実は,強制わいせつ罪の成立要件を欠くものである上,わいせつな行為に当たらず強要行為に該当するとみるほかない行為をも含む事実で構成されており,強制わいせつ罪に包摂されて別途強要罪が成立しないというような関…
青少年条例の児童ポルノ要求行為の場合と同様、要求行為が発覚するのは、撮影・送信してしまってからになるので、要求されただけで被害申告されることはないので、常に撮影させた不同意わいせつ罪を伴うことになります。 牽連犯というより、観念的競合か吸収関係だと思います。撮影送信させるのを強要罪とした高裁判例では、全部併合罪とされていました。 なお、撮影させる行為をわいせつ行為を評価するのは、奥村説です 強要被告事件 広島高裁岡山支部H22.12.15*1(岡山地裁H22.8.13) 東京高裁H27.12.22*2(新潟地裁高田支部H27.8.25) では独自の見解とされましたが、 大阪高裁r03.7.14…
判例では、「送信させる」はわいせつ行為とされません。 裁判例では、自慰行為させるが伴う場合に送信行為がわいせつと評価されることが多いようです。 大阪高裁r03.7.14*1(京都地裁R3.2.3*2)判決速報 2 なお,前記(3)は,Aに対し,前記ダイレクトメッセージ機能を使用して,その陰部,乳房等を露出した姿態をとって撮影して被告人のスマートフォンに送信するよう要求し,Aにそのような姿態をとらせてそれを撮影させたという強制わいせつの事実(令和2年8月27日付け起訴状記載の公訴事実第1)と,同要求をし,Aにそのような姿態をとらせてそれを撮影させた上,その画像データ2点を被告人のスマートフォンに…
強要罪の高裁判例では、 広島高裁岡山支部H22.12.15(岡山地裁H22.8.13) 東京高裁H27.12.22(新潟地裁高田支部H27.8.25) が送信させる行為はわいせつ行為ではないとされる。 強制わいせつ罪の高裁判例(大阪、大阪、札幌)でも「撮影させ」までが「わいせつ行為」とされています。 送信させる行為まで起訴されることが多く、弁護人が指摘しないと「送信させる」までわいせつ行為とされます。 裁判例を概観すると、「撮影させ」は性的意味合いが強くそれだけで「わいせつ」と評価されますが、「送信させ」は性的意味合いが弱く、自慰行為させるなどとの合わせ技で可罰性を帯びて「わいせつ」と評価され…
高裁判例レベルでは、 わいせつは、「撮影させ」までで、「送信させ」は含まない 児童ポルノ製造罪とは観念的競合になるとなるはずです。 わいせつとされた範囲 児童ポルノ罪が起訴された場合の罪数処理 東京 地裁 H18.3.24 撮影送信させ受信して 観念的競合 大分 地裁 H23.5.11 撮影送信させ 併合罪 東京 地裁 H27.12.15 撮影送信させ 併合罪 高松 地裁 H28.6.2 撮影送信させ 併合罪 横浜 地裁 H28.11.10 撮影送信させ 松山 地裁 西条 H29.1.16 撮影送信させ 高松 地裁 丸亀 H29.5.2 撮影させ 岡山 地裁 H29.7.25 撮影送信させ 併…
d1-law 横浜地裁 H28.7.20 懲役26年 ベビーシッター (量刑の事情) 量刑上最も重い犯罪である殺人罪についてみると,その犯行態様は,体重が100kgを超える被告人が,2歳児であるIの鼻口部を少なくとも3分から5分間にわたって手で塞ぎ続けるなどというものであって,両者の体格差は歴然としており,現場が逃げ場のない密室内であったことにも照らして,抵抗は不可能に近く,凶器を使用していなくても,生命に対する危険性の高いものであったといえる。しかも,かなり強い力で数分間にわたって塞ぎ続けるという態様から,突発的に生じた犯行であるとはいえ,強固な殺意に基づくものと認められる。以上によれば,本…
判例DBから令和の事件の量刑理由が抽出しました。 教員・保育士・シッターによるわいせつ事案の量刑理由をみても、前科の指摘はありません。 日本版DBSでは初犯のわいせつ事件に対応できないことを示そうと思ったんですが、件数が多すぎて集計できません。 横浜地裁 H28.7.20 懲役26年 ベビーシッター (量刑の事情) 量刑上最も重い犯罪である殺人罪についてみると,その犯行態様は,体重が100kgを超える被告人が,2歳児であるIの鼻口部を少なくとも3分から5分間にわたって手で塞ぎ続けるなどというものであって,両者の体格差は歴然としており,現場が逃げ場のない密室内であったことにも照らして,抵抗は不可…