法華経はいかにして得し薪こり 菜摘み水くみ仕へてぞ得し 大僧正 行基 様のお読みになった歌 〜法華経の教えを私が得たのは何故かというに、 前世において薪を樵り、 菜を摘み、水を汲んで、 阿私仙に仕えて得たのである 【第10帖 賢木 さかき】 今日の講師にはことに尊い僧が選ばれていて 「法華経はいかにして得し薪《たきぎ》こり 菜摘み水|汲《く》み仕へてぞ得し」 という歌の唱えられるころからは 特に感動させられることが多かった。 仏前に親王方も さまざまの捧《ささ》げ物を持っておいでになったが、 源氏の姿が最も優美に見えた。 筆者はいつも同じ言葉を繰り返しているようであるが、 見るたびに美しさが …