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国粋主義

(一般)
こくすいしゅぎ

国家主義・国家権威に傾倒する主義・思想。もっとも広義に用いる場合、排外主義/ショービニズム(chauvinism)の同義語として用いられる。


本来の(つまりもっとも狭義の)国粋主義とは、明治時代中期の政教社(機関誌「日本人」を発行)と日本新聞社(新聞「日本」を発行)らの主張を指す。
これは欧化主義への過度の傾倒を諫め、日本人が古来から培ってきた特質(これを国の精髄と見なして国粋Nationalityと呼んだ)を重んじるべしとした思想である*1
この段階では、政教社の志賀重昂その人が「日本人」誌上で述べている内容(以下に引用)からも明らかだが、排外主義的な色彩はほとんどもしくはまったく存在せず、どちらかというと「和魂洋才」の方に近い。

故に日本の宗教、徳教、教育、美術、政治、生産の制度を選択せんにも、亦「国粋保存」の大義を以て之を演繹(えんえき)せんとするものなり、然れども予輩は徹頭徹尾日本固有の旧分子を保存し旧原素を維持せんと欲するものに非ず、只泰西の開化を輪入し来(きた)るも、日本国粋なる胃官を以て之を咀嚼し之を消化し、日本なる身体に同化せしめんとする者也。


その後、日清戦争・日露戦争を経て日本の国際的地位が向上するとともに*2日本主義・国家主義的な思想が出てくるようになる。大正デモクラシー期には、その自由主義的風潮に対する反動として大日本国粋会などが結成され、いわゆる右翼的な思想に基づく「国粋」の語の使用が増え、最終的には日本型超国家主義の同義語としての「国粋主義」に至ることになる。

*1:「国粋保存旨義」と呼ばれた。新聞「日本」が唱えた「国民主義」も概ねこれに一致する

*2:もしくは、自国の実力に対する過信や思い上がりが生まれるともに

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