(Honorary president)
国際機構、公益法人などが設置する栄誉職(名誉職)としての総裁。
日本では、天皇ないし皇族などがその地位に就くことが多い。一例として、日本赤十字社では、法人代表者である社長の上位に名誉総裁・名誉副総裁が置かれ、名誉総裁は皇后が、副総裁はその他の皇族が務める。ともに、法人の運営や予算執行には関与しない名誉職である。功労あった看護師・助産師に贈られるフローレンス・ナイチンゲール記章の授与式に臨席し、贈章・授与を行う。
日本水難救済会、済生会、日本サッカー協会なども皇族を名誉総裁としている。
これら日本国内の団体が皇族を奉戴する場合、明治以来昭和戦前までは「総裁」であったが、戦後、「名誉総裁」と名称変更したのが通例である。なお、例外として、結核予防会は総裁及び名誉総裁の制度があり、総裁は皇族を推戴する、名誉総裁は総裁として長年功績のあった者から推戴すると定款で定めている。大日本農会では総裁を推戴すると定款に規定している。
この他、団体ではなく、万国博覧会の開催に際して一時的に名誉総裁を推戴する例もあり、きわめて象徴的な役割として置かれるのが一般的といえる。