『室町は今日もハードボイルド〜日本中世のアナーキーな世界〜』 清水克行著、2024年1月 新潮社 ・本書を読むと現在の”おとなしくて控えめ”という日本人のイメージが大きく覆ります。 ・中世の室町時代は、東に幕府、西に公家政権が存在し、地方社会は荘園等によって細かく分節化されていました。この時代、庶民は村や町を拠点に生活しており、幕府法、公家法、荘園内の法、村法などが複雑に絡み合うアナーキーな社会構造が形成されていました。 ・第2話「山賊・海賊のはなし」では村上海賊は有名ですが、琵琶湖の海賊(湖賊?)は初めて知るものでした。・中世では北陸から京都に物資を運ぶのに琵琶湖を利用していましたが、必ず通…