25年前のことである。時代はまだ20世紀だった。日経新聞にある本の書評が載っていた。『文明の海へ』(ダイヤモンド社)である。 書評に《語り口は簡明で司馬遼太郎のエッセイを思い出させる。》とあった。ワシャの場合「司馬遼太郎」というワードでまず食いついてしまう。さらに、書評冒頭に《独自の「海洋史観」を打ち出した経済史家の最新評論集だ。》とあり、「史観」という言葉に「司馬史観」に類するものを感じてしまい本を購入した。 えれぇものを買ってしまった。この本の著者が川勝平太元静岡県知事だったのだ(泣)。 同じ時期の東京新聞のコラム「大波小波」も《川勝平太(四八年生まれ)は、梅棹史観を受け継ぎつつ修正を要求…