中央公論新社が創業120周年を記念して2006年に創設した文学賞。副賞100万円。
2001年に創設された婦人公論文芸賞を発展させた形の賞で、第一線で活躍する中堅以上の作家のエンターテインメント作品を対象としている。
第1回(2006年) 浅田次郎『お腹召しませ』 ISBN:4120037002 第2回(2007年) 角田光代『八日目の蝉』 ISBN:4120038165
目次 はじめに 感想 さいごに はじめに 皆さんこんにちは、卯月ユウトです。 今回私が読んだ作品は、山本文緒さんの「自転しながら公転する」です。この作品は第16回中央公論文芸賞と第27回島清恋愛文学賞を受賞し、2021年の本屋大賞にもノミネートされ、松本穂香さん主演でドラマ化もされた人気作品です。 感想 この本の特徴というとブログ記事のタイトルにも書いた通り、どこにでもいる普通の人の物語であるということです。 更年期障害を患った母の看病のため実家に戻ってきた主人公の都は、アウトレットモールのアパレルの契約社員として働きながら寿司職人の貫一と付き合い始めます。しかし、彼との結婚は見えず、職場はセ…
家族じまい 桜木 紫乃 【あらすじ】 釧路に住む80代の老夫婦。 娘二人がいるが各々所帯を持ち別の地で暮らしている。 江別で暮らす長女、函館で暮らす次女。 母親がどうやら認知症だと次女から長女に連絡が入る。 若い頃には自分勝手で、さんざん家族に迷惑をかけた父が、今は母の面倒を見ている。 親の終活、2世帯同居、老々介護など親の老いを見つめる家族の行き先とは… 大人の諦観と慈愛に満ちた文芸小説 第15回中央公論文芸賞受賞作
『方舟を燃やす』角田光代著の紹介です。 ニッポン放送あなたとハッピー!2024年3月14日放送 新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。 放送内容 著者プロフィール 感想 方舟を燃やす 放送内容 以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。 ・角田さんひさしぶり待望の長編小説。 ・世代の違う男女二人が主人公。ふたつの人生を交互に追う人間ドラマ。 ・67年前後の誰もが知っているという、こっくりさん、ノストラ…
Book Review 9-25 医療 #父がしたこと 『#父がしたこと』(青山文平著)を読んでみた。著者は、松本清張賞を受賞しデビュー。大藪春彦賞、直木賞、中央公論文芸賞と柴田錬三郎賞をW受賞。『半席』『本売る日々』など時代小説を執筆。 目付の主人公は、小納戸頭取である父親でから御藩主が痔瘻で苦しんでいることを告げられる。在村医のM(フィクション)に麻沸湯による全身麻酔を使った華岡流外科手術を秘密裡に行う計画を立てる。花岡青洲といえば、乳がん手術がすぐに結びつくが、乳児の鎖肛の手術もしたらしい。主人公の息子が鎖肛であり、手術に至るまでの周囲の者たちの苦悩が紡ぎ出される。現代のようにレントゲン…
『櫛挽道守』で第9回中央公論文芸賞を受賞に続いて二冊目の本だが、この人、木内 昇と書いて(のぼる)ではなく(のぼり)で女性作家なんですよ。本作は直木賞受賞作で、維新から10年、武士という身分を失い、根津遊廓の美仙楼で客引きとなった定九郎。自分の行く先が見えず、空虚の中、日々をやり過ごす。苦界に身をおきながら、凛とした佇まいを崩さない人気花魁、小野菊。変わりゆく時代に翻弄されながらそれぞれの「自由」を追い求める男と女の人間模様を描いたドラマだが、後半になるに従い、この作者のただならぬ筆力に絶句する。人間観察の奥深さ、時代小説の難しさ、起承転結織りなす読者の引き込みの上手さ。遊郭、着物に関する単語…
おとなの週末Web バブル経済崩壊、阪神・淡路大震災、オウム真理教による地下鉄サリン事件など、激動の時代だった1990年代。 そんな時代を、浅田次郎さんがあくまで庶民の目、ローアングルから切り取ったエッセイ「勇気凛凛ルリの色」は、30年近い時を経てもまったく古びていない。 今でもおおいに笑い怒り哀しみ泣くことができる。また、読めば、あの頃と何が変わり、変わっていないのか明確に浮かび上がってくる。 この平成の名エッセイのベストセレクションをお送りする連載の第97回は、「破倫について」。 【画像ギャラリー】浅田次郎の名エッセイ『勇気凛凛ルリの色』 一国の宰相であるらしいバカヤロウ 「人倫」とは、人…
◆松竹関係ツイート kumamasa ◆松竹さんは、社会変革にエネルギーを使うより、何年かかるかわからない法廷闘争に力を注ぐ様だ。「新党作れ」という声もあるのに。国民の苦難軽減より、除名撤回の方が大切なのかな。確かに除名は党員にとっては死刑判決に等しいものではあるが。松竹さんのやろうとしてる事ずれてる。 ◆もし勝って復党したら地域支部に入るんだろう。勝ったからって「松竹理論」が認められた訳じゃないから綱領も規約も変わらない。まだ裁判闘争の方針も決まっていない様だが。第一裁判費用があるのかも疑問(余計なお世話だが)。 全く同感なのでメモ。多分「除名撤回」と同時並行で「政治活動」なんてことはしない…
記憶の歳時記:村山由佳著のレビューです。 ☞読書ポイント 感想 村山由佳プロフィール ☞読書ポイント 今が落ち着いて幸せだからこそ語れることがある。過去の記憶を掘り起こすことによっていろいろ削ぎ落とされ、新たな感情が見えて来る。村山さんの人生の棚卸しとも言える一冊。これまで語られなかった知られざる村山さんの素の姿が見られます。 感想 記憶の歳時記 (ホーム社) 四季折々の軽井沢での生活を綴ったエッセイ集だろうと思って気軽に読み始めたのですが、これがまた、結構な深いところまで赤裸々に書かれていたものだから、ちょっとびっくりです。もちろん、背の君(村山さんの旦那さん)や、たくさんのネコちゃんの話も…
自転しながら公転する posted with ヨメレバ 山本 文緒 新潮社 2022年10月28日 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!「自転しながら公転する」、ドラマ化です。やた!亡くなった山本文緒さんの最後の長編。中央公論文芸賞、嶋清恋愛文学賞を受賞したまごうことなき傑作です。
山本文緒の「自転しながら公転する」が実写ドラマ化するらしい。12月14日(木)、21日(木)、28日(木)のいずれも23時59分から。楽しみだ~!! www.ytv.co.jp ちなみに、わたしはまだこの小説を読んでいない。亡き著者の残してくれた作品を大事に読もうとするあまり、読めずにいる(という言い訳かもしれない)。 ちなみに単行本と文庫本どちらも持っている。しかし読んでいないのだ。 ドラマを十分に味わうためにも、放映されるまでに今読んでいる本たちを押しのけてでも読もうと思う。 さて今日は、"好きな作家”をどこから公言してよいものか?という話。 結論からいうと、わたしは一冊読んで好きだと確信…
Row & Row:村山由佳著のレビューです。 ☞読書ポイント 感想・あらすじ Row&Row(ロウ・アンド・ロウ)の意味 村山由佳プロフィール 合わせておすすめ ☞読書ポイント 自分のベストパートナーは本当にこの人だったのか?何もなければこのままの淡々と生活は続いていくものだと思っていたけれど....。ふたりの間に第三者が侵入してきたことによって見えて来たものとは?村山さんのこってりした恋愛小説ど真ん中!をたっぷりと。 感想・あらすじ Row&Row 久々に村山作品のド真ん中を読んだ気分になりました。そう、ザワザワした気持ちがずっと続く小説。誰にも感情移入出来ない、どの登場人物も好きになれな…
札幌の書店員・デザイナー・イラストレーターが大活躍!この秋おすすめの3冊をピックアップ 今回の書店ナビBOOKニュースは、札幌にゆかりのある秋のおすすめ本3冊のご紹介から。1冊目は、書店ナビ名物企画「本のフルコース」にもご登場いただいたことがある三省堂書店札幌店の工藤志昇(くどう・しのぶ)さん初のエッセイ集『利尻島から流れ流れて本屋になった』。2023年10月18日発売のホヤホヤの新刊だ。 第523回 三省堂書店札幌店 工藤 志昇さん www.syoten-navi.com 利尻島から流れ流れて本屋になった工藤志昇 寿郎社 書店は、故郷だ。ゴールの見えない多忙で多様な仕事と、ふとした拍子に思い…
谷保恵美さんの「谷保」姓は確かに珍しいが/本物のアホだった故勝谷誠彦/「ひがしの」と「とうの」 - kojitakenの日記 直木賞というと最近では2006年に東野圭吾の極悪ミステリ『容疑者Xの献身』に何の間違いか授与してしまったことが一大痛恨事だったと私は考えている。あれが契機になって大量の「東野信者」が生み出されてしまった。1999年に宮部みゆきが『理由』で直木賞を獲ってからしばらくの時期は、日本を代表するミステリ作家といえば宮部というイメージだったが、今ではすっかり東野にとって代わられた*1。 直木賞を過大評価するにも程があります。 直木賞受賞(2006年)が彼の知名度、人気をより高めた…
本作は中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞受賞作の大作で読むほどに唸るような作品だと思う。 私が審査員でも間違いなく一票を入れたであろう文句なしの小説ではなかろうか。 多少、時代考証や方言など難しいところもあるが、ストーリーなどどこまでも読みごたえのある作品で、時代小説の好きな人にはお薦めの逸品かと思う。 幕末、木曽山中の小さな宿場町。 年頃になれば女は嫁すものとされていた時代、父の背を追い、櫛挽職人をひたむきに目指す主人公登瀬の一途さと、貧しい一家の情感と生活がよく表れて心を打つ。
篠田節子 著『ドゥルガーの島』の紹介。 ニッポン放送あなたとハッピー!2023年9月14日放送分 新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ! 毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。 ニッポン放送あなたとハッピー!2023年9月14日放送分 ドゥルガーの島:篠田節子 内容 放送内容 篠田節子プロフィール 感想 ドゥルガーの島:篠田節子 ドゥルガーの島 作者:篠田節子 新潮社 Amazon 内容 大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え…