「中国」、「哲学」、そして「歴史」とは何か、から始まる「中国哲学史」 中国哲学史 諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで (中公新書) 作者:中島隆博 中央公論新社 Amazon 2月に刊行された新書『中国哲学史』は、中国哲学に関してすでに多くの著書がある中島隆博による、中国哲学の概論・通史となる本だ。中国哲学について全く知らなかった私だが、最初の一冊として良さそうな感じがしたので読んでみた。 冒頭から感銘を受けるのが、本書における議論の前提を確認する「まえがき」の内容だ。この「まえがき」では、「中国哲学史」というものが決して自明のものではなく、この言葉そのものの中に強く地理的・政治的・制度的な…