13世紀末、ハプスブルク家の支配に対し原初三州が「盟約者同盟」を結び成立したスイス。しかし当時はまだ独立した国家の連合体であり、17世紀のウェストファリア条約で神聖ローマ帝国からの独立が認められた後も、18世紀末にフランス革命に巻き込まれ強制的に自由主義と民主主義を植え付けられた後も、その実態は決して変わらなかった。 それが大きく変わるのが、1850年代。1831年の農民解放から始まる「再生」時代も終盤に至り、長く政権を担ってきた農業党が失墜。 代わって台頭してきた保守派勢力が1851年選挙で勝利し政権交代。自由主義改革の進む「再生」時代に対する保守反動の時代を迎えていた。 この状況を憂慮した…