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ダークエネルギー

(サイエンス)
だーくえねるぎー

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dark energy

宇宙論の分野で使われるようになった概念。
もともとの起源はアインシュタイン方程式に導入された「宇宙項」だった。これは宇宙膨張の発見によって一度放棄されたが、後にインフレーション宇宙の推進エンジンとして復活。さらには現在観測されている宇宙の様相を説明するのに便利(必要)な存在であると考えられている。

概略

宇宙項

1916年にアインシュタインは「アインシュタイン方程式」として知られる一般相対性理論というか重力を扱った式を提出した。が、これに従うと宇宙は自らの重力でつぶれてしまうということに気付いたので*1、翌年アインシュタインはこの式に重力(万有引力)に対抗して宇宙を維持するために必要な力を仮定し、宇宙項(宇宙定数)という形で方程式に追加した。
が、実際の宇宙は静的でも定常的でもなく、ビッグバンによって始まって現在もなお膨張中である、ということになったので、別にそういう力は必要ない、ということで話は落ち着いた。
時は流れて1970年代。ビッグバン宇宙論にはいくつかの問題があることが指摘されていた。仮に150億年前とされる宇宙の始まりから同じペースで宇宙が膨張していたとすると、この宇宙はもっと場所による違いが大きいはずなのではないか、ということである。究極的には150億光年離れた場所同士は、宇宙が始まって以降は一度も情報交換がなされていないことになる(光速を越える情報伝達は不可能であるから)。もっと時間のかかる現象(宇宙年齢が増えてから発生する現象)であれば、さらに場所による差は大きいはずである*2
にもかかわらず宇宙背景放射は矢鱈に均一*3だし、観測可能な宇宙は同じような場所が延々続いているように見えた。
また、宇宙の質量の問題もある。宇宙規模で支配的な力は重力だが、生まれた宇宙の密度(質量)が大きいと、ビッグバンの爆発力の後で重力に負けてその宇宙は収縮してしまうはずである。逆に密度が低いと膨張できるが、今度は碌に物質の存在しないスカスカの宇宙になるはずである。都合よく「恒星や銀河が生成されるが膨張も持続する」ために必要な質量の値が取れる幅は極めて狭く、そうそうそんな都合のよいことが起きるとは考えにくいので、何かの説明が必要だと考えられた。

インフレーション宇宙はこれに対する解決策として持ち出された。宇宙は誕生初期の早い時間に急激に膨張(インフレーション)した、とする考え方である。初期には狭くて十分な均衡状態にあった場所が、インフレーションの結果急速に拡大されて、観測可能な限界(宇宙の地平線まで)よりも大きくなったのだ、と考えればつじつまは合う。
そして、インフレーションを行う原動力として、宇宙項が復活した。宇宙誕生直後は宇宙項(斥力)が引力よりもずっと強く働いていたので爆発的な宇宙の拡大がなされ、その後我々の知っているような膨張宇宙に変わったのだ、とするのである。

(※以下記載無し)

*1:諸説有り

*2:実際には宇宙は膨張しているので、情報交換が可能だった範囲は150億光年よりも狭い

*3:つまりは熱均衡の状態にある

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