今回はまたミュージシャンへと戻り、まだ一度しか取り上げていないジャズ・ベーシストをご紹介しようと思う。 破天荒、自堕落といった形容詞が付きもののジャズ・ミュージシャンの中、異彩を放っているのがロン・カーター(Ron Carter、1937年5月4日- )である。 1959年にイーストマン音楽学校を出たカーターは、チコ・ハミルトン(Chico Hamilton, ds)のグループでプロデビューを果たすとともに、並行してアカデミックな修養も重ね、1961年にマンハッタン音楽学校修士課程を修了。 そして後には、ニューヨーク市立大学シティカレッジの音楽学部で20年以上に亘り教壇に立った。 この経歴から…