ジョン・ガーフィールド

(映画)

【じょんがーふぃーるど】

John Garfield

アメリカの映画俳優。1913-1952

　第二次大戦中のワーナー・ブラザースを代表するタフガイ・スター。
　マーロン・ブランド、ジェームズ・ディーンらの先駆となる反抗的なキャラクターが持ち味の個性派・演技派スターだが、戦争のため、代表作が日本に輸入されなかった。

　1913年３月４日、ニューヨーク生まれ。本名ジェイコブ・ジュリアス・ガーフィンクル。愛称はジュリー。東欧系ユダヤ移民の家庭に生まれ育つ。
　1932年、ブロードウェイ・デビュー。ユダヤ風の本名の代わりに、アメリカ風の芸名ジュールズ・ガーフィールドを名乗った。左翼劇団「グループ・シアター」に参加し、クリフォード・オデッツは彼のために『ゴールデン・ボーイ』を書いた。だが結局、彼は主演でなく傍役に回された。
　ガーフィールドは舞台を離れ、ハリウッドで映画俳優になった。1938年に『四人の姉妹』の助演で注目された。
　第二次世界大戦が勃発すると、軍隊に志願したが心臓疾患のため叶わなかった。ベティ・デイヴィスと共に兵士に食事や娯楽を提供する慰問クラブ「ハリウッド・キャンティーン」開設に尽力し、映画版『ハリウッド玉手箱』（1944）にも出演した。
　ジェームズ・Ｍ・ケイン原作の『郵便配達は二度ベルを鳴らす』（46）、『ユーモレスク』（46）に主演し、ユダヤ人差別を扱う問題作『紳士協定』（47）に助演。ワーナー退社後は、独立プロのフィルム・ノワール『ボディ・アンド・ソウル』（47）、『悪の力』（48）に主演。
　1940年代末に始まった赤狩りで、下院非米活動調査委員会に召喚されたが、ブラックリストに載った。彼の妻は共産党員だったが、彼自身が党員だったという証拠はない。映画界を追われ、ブロードウェイに戻り、1952年、『ゴールデン・ボーイ』の再演に主演した。
　長年の持病の心臓疾患に、ブラックリストのストレスが重なり、1952年５月21日に急死した。

映画出演作：
『四人の姉妹』（1938）
『特ダネ監獄』（1939）
『革命児ファレス』（放映題、1939）
『流れ者・さすらう二人』（放映題、1939）
『海の狼』（1941）
『空軍／エア・フォース』（DVD題、1943）
『黒い足音』（放映題、1943）
『霧の中の戦慄』（放映題、1944）
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』（DVD題、1946）
『ユーモレスク』（1946）
『ボディ・アンド・ソウル』（DVD題、1947）
『紳士協定』（1947）
『悪の力』（DVD題、1948）
『ストレンジャーズ６』（DVD題、1949）
『さすらいの涯』（1950）
『破局』（1950）
『その男を逃すな』（1951）