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シュルツェン

(一般)
しゅるつぇん

[独] Schürzen
シュルツェンとは、第二次世界大戦のドイツ軍戦車の砲塔や側面に追加された、対戦車ライフル向けの増加装甲。直訳では「エプロン」を意味する。
戦車本体の装甲とあわせて空間装甲を形成でき、成型炸薬弾にも有効である。
Ⅲ号戦車・Ⅳ号戦車などの車体側面や砲塔周囲に取り付けられたものが広く知られている。

詳細

第二次世界大戦においてドイツ軍はソ連軍の対戦車ライフルに手を焼いていた。
このライフルが「戦車の装甲を貫く」という事はなかったものの、装甲の弱い部分、つまり覗き口やハッチを狙われた。しかも相手は歩兵であり、戦車は外がよく見えないのをいいことに、ありとあらゆる場所・距離に陣取っては狙撃してきた。そのため、目を覗き口に近づけた瞬間に狙撃されるなどして、死傷者は無視できないほどになっていた。
そこで対戦車ライフルの特性から一計を案じ、「戦車から弾丸をそらす」ための装甲が考えられた。対戦車ライフルの弾丸は軽量でも貫通力を持たせるため、通常のものよりも炸薬が多く込められている。つまり「スピードで装甲を貫通させる」ので硬く・質量のあるものに、なおかつ角度を付けて命中すると弾かれやすいという特徴を持つ。
シュルツェンが薄くても高速弾を弾けるのはこうした特性を利用したためで、実際にテストでは「本体の装甲には傷すらつかなかった」という。 こうして有効性も証明され、1943年からは主力戦車であるⅢ号戦車やⅣ号戦車向けに装備されるようになった。
その後、対戦車榴弾(HEAT)に対してメタルジェットを拡散させる特性があることがわかり、側面からのHEAT防御としての意味合いをも持つことになった。
戦争も後期になると、資源削減と称して金網を用いたものが登場している。

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