ジョージ・ケナン(George F. Kennan)。b.1904-2005
アメリカの外交官。国務省政策企画室長として世界秩序の構想に参画。対ソ連政策について述べた「X論文 (原題 THE SOURCES OF SOVIET CONDUCT)」で有名。
彼によれば、アメリカ外交は伝統的に「法律家的・道徳的アプローチ」であり夢見がちであったとされ、「実務家的アプローチ」が推奨される。つまり、脳内の思い込みにしたがうのではなく、国際関係のなかで実現可能な手段を見極めて外交すべきだというのである。
彼の『アメリカ外交五十年』は、E.H.カー『危機の二十年』とならんで、外交官の手になるリアリズムの古典とされる。
2005年3月17日死去。