The Good Shepherd
創設時のCIAを舞台に、実在したCIA高官ジェームズ・ジーザス・アングルトンをモデルにした架空のスパイ・マスターの孤独を描く、ロバート・デ・ニーロ監督作品。
軍人の父を自殺で亡くした文学青年エドワード・ウィルソンは、在学するイェールにWASPたちによる秘密結社が存在することを知る。団員が互いに協力しアメリカの中枢に就くことを目的としたこの組織はスカル・アンド・ボーンズ*1と呼ばれ、ウイルソンはそこに加盟、二次大戦ではOSS(戦略事務局)にリクルートされ、諜報活動に携わるようになる。戦後OSSはCIAとして改組され、ウィルソンは冷戦下において東側から「マザー」と恐れられる有能なスパイマスターになるが、彼のCIAにおける成功と反比例するように、妻と子との関係は壊れてゆく一方だった。
そして、CIAが立案・実行した、亡命キューバ人をレジスタンスに仕立て上げ、キューバを攻撃する作戦が失敗するという事件が起こる。いわゆるピッグス湾(コチノス湾)事件である。ケネディ政権に大打撃を与えたこの失敗の調査を命じられたウィルソンは、その過程で国家と家族という過酷な選択を迫られることになるが・・・。