カーンバーグによる? 分裂 スプリッティングと呼ばれる。自我が弱い場合、状況のあいまいさや複雑さに耐えられない。そこで、どちらかの極に片寄せて、状況や相手を割り切ることで解決する。疑問や迷いを排除するために表象(イメージ)を分割しておくのがこの防衛の基本的手段であるが、そこからさまざまな自我の病理が派生する。もうひとつ重要なのは、この防衛によって分裂しているのは表象の世界ばかりでなく、欲動の世界も分裂しているということである。すなわち欲動(リビドーと攻撃性)もそれぞれに分裂した表象世界の活性化に伴って刺激され誘発されてくるために、分裂したままで融合せず、極端な性質をもちつづける。自我の成長や自…