映画監督 脚本家
作品 ポエトリー アグネスの詩(うた) (2010) 監督/脚本 シークレット・サンシャイン (2007) 監督/脚本/製作 オアシス(2002) 監督/脚本 ペパーミント・キャンディー(1999) 監督/原作/脚本 グリーンフィッシュ(1997) 監督/脚本 関与作品 冬の小鳥 (2009) 製作
小説家としての作品 『戦利』(1987)
2003年ノ・ムヒョン大統領の下、文化観光部長官に就任(-2007)
『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア』韓国の巨匠イ・チャンドンのレトロスペクティブ上映の一本。1999年作品。旧友たちがピクニックしている場に、行方知れずだったキム・ヨンホが突然現れる。人生の絶望にある彼は、皆の楽しむ場で悪態をつき場の雰囲気を壊すことを何も思っていない。相手にされなくなったキム・ヨンホはフラフラと近くを通る陸橋の上に立つ。列車が近づき汽笛を鳴らしても逃げない。衝突するその瞬間、「帰りたい!」と叫んだ彼の人生を、観客はその時点から過去へ、さらに過去へと逆戻りして体験していく。 主役は、現在中年男のキム・ヨンホ。ピクニックの数日前。 自殺するつもりなのだけれど、その前に拳銃…
『オアシス 4Kレストア』韓国の巨匠イ・チャンドンのレトロスペクティブの一本。2002年作品。迎えが誰もいない中、刑期を終えて出所した青年ジョンドゥ。ある日、被害者家族の家に謝罪に訪れた彼は、脳性麻痺の同じ年頃の女性コンジュと出会い、恋に落ちる。 2002年の初上映の時ではなかったにしても、特別上映か何かでこの『オアシス』は以前観た。 記憶の中では、知的障がいのある若者と脳性麻痺の女性の裏悲しい恋愛物語だったはず。 その時だって子どもではなかった。が、今回改めて観て「おや」と思った。 なんか、今現在の視点で観ると、印象が変わるのだ。 まず、青年ジョンドゥだが、自分の欲求に忠実で、周りから浴びせ…
イ・チャンドン監督特集上映で見る。 ミジャは、遠くで働く娘に代わって中学生の孫を育てている。介護の仕事もしながら、詩の教室に通いはじめる。しかし、同級生の自殺に孫が関わっていることがわかり、彼女は詩作を通して、これまで見ないようにしてきた真実を見つめはじめる。 いかにもかわいいおばあさん然としたミジャは、最初なんとなく、しあわせそうに暮らしている。やや認知能力にもおとろえがある。 しかし、詩の創作をはじめたことで、物事に目を凝らすこと、そこから考えることを手にする。 結末は、ハッピーエンドとはいえない。自分の人生の真実に気づくのは辛いことだ。 それでも、目を背けていては、自分の人生ではなくなっ…
オアシス 2002年 韓国 あらすじ 「9歳の青年ホン・ジョンドゥは、ひき逃げによる過失致死で2年6か月の刑期を終えて出所した。入所したときの半袖シャツのまま、母の服を買って実家に帰ろうとしたが、家族は引越しをしてしまい、居場所も分からなかった。飲食店で無銭飲食をして警察に捕まった彼の元へ、ようやく弟のジョンセが迎えに来て、ジョンセの運転する車で新しい家へと向かい、家族と再会する。しかし、社会不適応者である彼に対し、家族は暖かい対応をしない。 2日後、挨拶しようとひき逃げ事故の被害者宅を訪ねたジョンドゥだったが、引越しの最中であった被害者の息子夫婦は怒って彼を追い返す。息子らは脳性麻痺である妹…
存在するのかわからない猫や、消えた女、はっきりしない記憶、「納屋を焼く」のが趣味という告白、繰り返される無言電話、牛、フィッツジェラルドにフォークナーなど印象的なモチーフがとてもたくさん散りばめられてはいるが、それらがきちんとした線にならないように延々と断定を避け続けるかのような不思議な映画。 淡々と描かれる若い3人の日常(ジョンス、ヘミ、ベン)には謎が纏わり付いている。冒頭でヘミが語るパントマイムによって「存在しないという事実を忘れる」技術は、あらゆるモチーフから虚実の断定を奪っていく。そして、だからこそどこか不穏な雰囲気(=暴力の予感)が全編にわたって漂っている。この作品においては、ほとん…
引用元:amazon.co.jp 2009年の韓国映画 1975年の韓国 ソウルにある百貨店などが建つアプクジョンドンでさえ、当時は高層ビルのすぐ傍で牛が畑を耕していた頃 父さんと一緒に楽しく遊んでいたジニ(キム・セロン) 「明日は旅行に行こう」と、新しい洋服と靴も買ってもらい、最高に嬉しい気持ちでいた そして次の日の朝、ジニは孤児院に預けられ、父は居なくなってしまう ここに居る他の子供たちと違い、自分は父さんが迎えに来ると信じて疑わないジニは、お世話をしてくれる人にも仲間にも馴染もうとせず、施設を抜け出そうとする もちろん行くアテもなく、父の連絡先もわからないジニは、次第にここで暮らすしかな…
引用元:eiga.com 2018年の韓国映画 「パパーミント・キャンディ」、「オアシス」などで知られるイ・チャンドン監督作品 村上春樹の短編小説「納屋を焼く」が原作 その短編は、随分前に読んだ割には大まかな内容を覚えている 記憶力の乏しい自分にしては珍しい、、独特の非現実感が印象深かったのか 本作の詳細かなり原作と異なるのも観始めてすぐにわかったけれど、根底の雰囲気は(そんなもの小説に書かれていないから感覚的なものでしかないのだけれど)忠実に踏襲されていた 大学を卒業したもののアルバイトしながら小説家を目指しているジョンス(ユ・アイン) ソウルの街中で、キャンペーンガールに声を掛けられ戸惑っ…
引用元:Yahoo!映画 2000年の韓国映画 監督イ・チャンドン、主演ソル・ギョング、ムン・ソリ この三人の組み合わせは2002年の「オアシス」で再現されている それほど本作で手応えを感じたのだろう 7つのストーリーで、1999年から1979年へと遡っていく形式で、キム・ヨンホ(ソル・ギョング)というひとりの男の、40代から20代に起こる出来事を描いている 40代の自暴自棄になった状態から、家庭の崩壊、幸せな時期を経て、結婚、出会い、と遡っていく間に、結ばれることのなかった初恋の人ユン・スニム(ムン・ソリ)が随所に登場する (観る前の情報インプットがゼロだったこともあって)特殊なストーリーの…
引用元:Yahoo!映画 前作に続いて2002年の作品 イ・チャンドン監督の韓国映画 前科三犯のホン(ソル・ギョング)は、刑期(轢き逃げによる)を終えて再び出所してくる 韓国では出迎える人が豆腐を用意して「真っ白な状態から再スタートする」という意味を込めて出所してきた人がそれを口にするという習慣があるらしい 誰にも出迎えられないホンは自分で豆腐を買い、店の前でかぶりつく 彼に黙って引っ越していた家族には会う術もなく、無銭飲食をして再び警察のお世話になったところに弟のジョンセが迎えに来るという始末 ようやく家族と再会するも、相変わらず面倒ばかり起こすホンに対して家族は冷たく対応する そんな中、ホ…
5.0ほったんは人気あるバレーボール選手だったが、そこから、ゆうめい人の学校暴力告発が相次いだ。知らないゆうめい人ばかりで、実感が湧かなかったがパク・ヘスも告発があがり、ドラマなどの放映が無期延期となった。パク・ヘスといえばスウィングキッズに出ていたのをよく覚えている。ちいさくてはしこい。リスのような楽しい女優だった。 韓国のこの現象(2021/02~)は、どちらかと言えば、やや奇妙にも感じられるはなしである。おそらく、日本で、中高生時代の悪事がばくろされたとしても、職を追われるほどのことはないのではないか。そして、もし、それを問題視するならば、中高生のいじめ加害者などというものは、キリがない…
「寅に翼」素晴らしい。素晴らしいが、自分が過去にやらなかったことや挑戦しなかったこと、そして現在進行形で直面していることが丁寧に突き付けられるのでなかなか堪える。 ユン・ガウン監督「わたしたち」。 イ・チャンドンに推されているという時点ですごいのは確定だが、大納得の素晴らしい映画だった。素晴らしくつらい。そのつらさの解像度たるや。どうやって演技をつけたのか。演技なのか。ひりひりする。 ほんとうに人間関係の繊細な部分をここまで描けるのかという驚き。そして、現在の友人界隈を見渡せば、なんか同じようなことですれ違ったり近寄ったりしている。 弟ユンの賢者感がすごいが、男の子だからという気もし。 母も食…
紹介しなきゃいけない動画が一杯なので(汗)、一気に紹介させて頂きます。www.youtube.com まずは、表現者塾の塾生募集の告知動画です。同じクライテリオンの編集委員である柴山さんと、2023年度の講義を振り返りつつ、来る2024年度の塾への展望を語っています。塾も今年度で6年目に突入しますが、いよいよ塾の「かたち」も整い、各地方支部(信州支部、東京支部、関西支部、埼玉支部など)の活動も活発になってきています。 ご興味のある方は、これを機会に入塾について考えて頂ければ幸いです。 ちなみに、3月中は入塾料の割引キャンペーンも行っているとのことで(2024年度「表現者塾」入塾のお申込み | …
仕事は半日だけ、残りは映画館に行ったり、スイートポテトを買ったりと、のんびり過ごす水曜日。昨日が休暇ということもあり、やる気はゼロである。 午後、仕事の時間にはマクドナルドへも立ち寄った。コーヒー1杯で100V電源とテーブルと椅子が使える、とても便利な場所だ。僕はこのコーヒーが嫌いではない。コンビニや他のファストフードのコーヒーから考えると、もっと酷いことになってもおかしくない。特別な個性もなく、がぶがぶ飲むためだけにチューニングされた味になっているのは、もっと評価されて良いはずだ。水のように飲める、というのは褒めすぎか。とにかく、作業や読書の最中に飲むには最適なコーヒーだと思っている。 歴史…
★★★★ 2016年10月8日(土) シネリーブル梅田 舐めてると牙を剥いてくる悪意の奔流は遍く我々のすぐ隣に内在する。残念ながらそれに抗する術は無いのだという諦念に於いて優れてイ・チャンドン的だ。カメレオン作家深田の新たな鉱脈で男優2人に四つで対峙する筒井も良い。ただカメラが弱い。(cinemascape) kenironkun.hatenablog.com
10話感想 過去。冒頭「2匹の蜜蜂 花畑へ飛んでいく。左へ右へブンブンと」と酒杯をしている劉氏とホステスさん。お酒でのゲーム【喝酒游戏】らしい。 两只小蜜蜂呀,飞到花丛中,左飞飞,右飞飞。
雑踏の中に迷い込んだ気分で…今は映画に向き合えず… 2024年になってあっという間に2ヶ月が過ぎます。 今年もたくさん映画を観て思いの丈を語りたい!と、思っていたものの、生活のリズムが少し変わり、歳のせいか気力が長続きせず…映画に向き合う気持ち自体が若干弱まっています。 某映画レビューサイトで2019年から月に数本のレビュー記事を書いていましたが、去年の夏ごろから映画を観るのが精一杯で、すぐに執筆に取り掛かれない…そんな状況でした。 生業ではありませんがサイトの管理運営をしているメンバーは、映画に対する思いが遊びではありません。とても真摯に向き合っている人達ばかりです。 そんな方々がど素人の私…
2004年韓国 / 原題:오아시스(OASIS) / 監督:イ・チャンドン / 133分 わたしたちは、程度の差こそあれ、誰もが属する社会やコミュニティーに即した倫理観や人間観を内面化している。 それなしには、社会に適応し、社会の一員としての権利を享受することができないから。 社会ごとに設定されるマインド、モラル、ルールは、基本的にその社会の大多数の安全快適を確保する目的で制度設計されている。 現代の多忙で余裕を欠いた社会においては、大多数の快適や安全を、最小限の労力で維持しようとする。 みんな忙しすぎるから、物理的な時間も労力も、他者や答えのない問題に想像力をはたらかせるための脳のリソースも…
映画好きが購入したブルーレイを、メモ代わりにブログに残していく記事。今回は458本目。タイトルはイ・チャンドン監督による、2004年日本公開作品「オアシス」。特典映像としては「日本版予告編」のみ。「シークレット・サンシャイン」「ポエトリー アグネスの詩」「バーニング 劇場版」など、アジアを代表する映画作家イ・チャンドン監督が放った長編第3作目。韓国で公開された2002年の第59回ヴェネツィア国際映画祭においては、「監督賞」「新人演技賞」「国際批評家協会賞」などを受賞し高く評価された作品だ。出演は「力道山」「監視者たち」「1987、ある闘いの真実」などのソル・ギョング、「大統領の理髪師」「お嬢さ…
1 人間椅子 42 scrobbles 2 おとぎ話 20 3 シャムキャッツ 15 4 ZAZEN BOYS 9 5 フーバーオーバー 7 6 毛皮のマリーズ 7 7 Yin Yin 5 8 エレファントカシマシ 5 9 モーモールルギャバン 5 10 矢島美容室 5 1/20(土) 先週に通話したアプリの人と会った日。お昼から昨今のブームが到来する前から存在していた老舗の純喫茶で待ち合わせしてオムライスを食べた。その後、「僕らの世界がまじわるまで」を一緒に見た。映画をちゃんと見てちゃんと考えられる人だとわかってうれしかった。ピカデリーに「哀れなるものたち」の広告がでかでかと垂れ下がっていた…
「緑の夜」2024年1月19日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町にて。午後2時25分より鑑賞(スクリーン1/E-12) ~男の支配から逃れて自由を得るための女たちの連帯と反乱 「X-MEN:フューチャー&パスト ローグ・エディション」などハリウッド作品でも活躍する中国を代表する俳優のファン・ビンビン。だが、中国共産党に脱税を追及されスキャンダルの渦中に叩き落された。今の中国で脱税なんぞ珍しくもないだろうに摘発されたのは、有名人をスケープゴートにすることで一罰百戒の効果を狙ったのではないか。 そのファン・ビンビン。一時は消息不明ともいわれた彼女の復帰第一作となったのが、香港映画「緑の夜」。香港…
1 人間椅子 35 scrobbles 2 Yin Yin 21 3 YUI 18 4 Saho Terao 16 5 小山田壮平 12 6 ケミカル・ブラザーズ 7 7 フーバーオーバー 6 8 tomoo 4 9 キリンジ 4 10 betcover!! 3 小山田壮平とYinYinのアルバムに心踊った週。ほかは微妙〜 1/13(土)朝からアプリの人とメッセージでやりとり。話題が多くテンポもよかったため煩雑になり、夜、電話することに。 最寄りの映画館でイ・チャンドン特集をはしごした。「ペパーミント・キャンディ」「シークレット・サンシャイン」を連続鑑賞。韓国ノワールの2作品、どちらも重厚で見…
今年初の下高井戸シネマだった。イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K「ポエトリー アグネスの詩」を見た。二日連続で記憶・忘却についての作品を鑑賞した。 アルツハイマーでは「初めに名詞、次に動詞を忘れていく」らしい。 中学ではカタカナのヌをよく忘れるぐらい記憶に自身がない私にとって、「別に良いのでは?」と思ってしまうが、そんな簡単なものではないのだろう。昨日まで覚えていたことを忘れたことに気づく。これは「忘れた」ことに気づいているため他者に聞くことで解決することができる(忘れっぽい自分に対面することは相当辛いものがあると思うが)。しかし、症状が進行すると、忘れたことに気づくことすらできずに忘れて…
1 寺尾紗穂 29 scrobbles 2 easycome 21 3 Thee Michelle Gun Elephant 11 4 矢島美容室 9 5 東京スカパラダイスオーケストラ 8 6 Attwenger 4 7 Confidence Man 4 8 The Hives 4 9 キリンジ 4 10 ザ・おめでたズ 4 寺尾紗穂にはまった週。 1/6(土) 朝一の回で「レザボア・ドッグス」リマスター版を鑑賞。おもしろかった。おもしろかったんだけど、あまりにもタランティーノが及ぼした影響が普通になってしまっている現在のことを考えると、こういう黎明期の映画をリアルタイムで体験することって大…