夏休みに死んだ叶人と席替えで隣の席になった翌日の夜から、僕は叶人のいる夢を見るようになった。最初は恐ろしかった。海の底に消えていったはずの叶人が、「おはよう」となんでもなかったように挨拶してくるんだから。しかも僕は叶人とは友達じゃなかった。 夏休みが明けた最初の日、窓を真っ黒なフィルムで覆い、クラスみんなで電気を消してろうそくをつけて叶人へのお別れ会をやったところまではまだみんな道を外してはいなかった。その次の日に、先生が「いなくなったお友達も含めて、いっしょに席替えをしましょう」だなんて言ったのが間違いで、そのとき僕は泣いたり暴れたりしてどうにかしてでもこの悪い流れを断ち切るべきだったんだと…