Grave (a.k.a.: Raw)
16歳のべジタリアン、ジュスティーヌは、両親と姉と同じ獣医科大学に入学する。初めて親元を離れて、見知らぬ新しい環境である大学の寮で暮らし、生活する不安に駆られる彼女。両親に車で寮まで送ってもらうが、寮にいるはずの姉アレックスに電話をかけるもつながらない。途方に暮れつつも、仕方なく一人で寮に向かいルームメイトと対面するが、女性との相部屋を希望したはずなのに、そこにいたのはアドリアンという男性。「俺はゲイだから」と言われてもなんの慰めにもならない。さらに追い討ちをかけるように、『フルメタル・ジャケット』も真っ青の上級生による新入生歓迎のハードコアな儀式としごきが突然始まり、地獄の日々が幕開け。ようやく姉と出会えて安堵するが、狂乱かつ過酷な日々が続く。
ある日、そんなしごきの一環として、全身に血を浴びせかけられ、さらにうさぎの生の腎臓を強制的に食べさせられたジュスティーヌは、体に異変を感じるようになる。身体中に発疹ができ、皮がむけ、体調はすこぶる悪い。悪夢にも悩まされるようになる。学業では優等生として本領を発揮するが、原因不明の精神的、肉体的なドラスティックな変化についていけない。ストレスもマックスで、最悪だ。学食で衝動的にハンバーグを万引きしようとしたジュスティーヌの姿を見たアドリアンは、彼女を連れて寮を抜け出し、バスで小旅行に出かけて夕食を共にする。アドリアンにすすめられて、そこで生まれて初めて自発的に肉を、ケバブを口にしたジュスティーヌは、肉の美味しさに衝撃を受け、がつがつとむしゃぶりつく。その後も夜中に無性に腹が減り生肉にかぶりつくなど、さらなる変化に戸惑うジュスティーヌは、次第に自分の内に秘めた恐ろしい本性と秘密に気づくことになる……。
(公式サイトより)
フランスのジュリア・デュクルノーの長編監督デビュー作。