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計算尺

(サイエンス)
けいさんじゃく

 アナログ式の計算器の一種で、固定尺と移動尺に対数目盛などの目盛を刻み、互いにスライドさせることによって、一定の有効桁数の範囲内で、乗除算・指数・対数・平方・立方・開平・開立・三角関数などの計算ができるようにしたもの。*1
 1620年にイギリスの天文学者ガンタ( Edmund Gunter )が考案した[ ガンタ尺 ]を元に、1622年にイギリスのウィリアム・オートレッド( William Oughtred )が2本の尺を滑らせる方式を考案。1859年に、フランスのアメデ・マンハイム( Amédée Mannheim )がカーソルの付いた現在の形を完成。
 1970年代の半ば頃までは科学者や技術者の必需品だったが、電卓の発明と普及によって急速に廃れた( デジタル式計算器のそろばんが残ったのとは対象的*2 )。2005年10月の時点では極僅かながら新品の流通在庫が残っており、銀座の伊東屋などで入手できたが、現在は在庫払底のため取り扱っていない。但し、殆ど手つかずで忘れていた物が未開封品として取り引きされているので、興味の有る方は、検索してみる事をお薦めする。熱心な愛好家も存在する。
 アポロ11号にはコンピュータが故障した時の為に計算尺も積んでいた。但し、軌道計算にはかなりの桁数が必要なハズで、どの程度有効なのはか不明( 計算尺の有効桁数は3〜4桁程度 *3 )。又、映画[ 飛べ! フェニックス ( 1966年 アメリカ ) ]には、重要な小道具として、計算尺が登場します。紅の豚にも... 出てませんね。フィオはどうやって計算したんでしょうか。

*1:加減算は出来ない。但し、裏面に加減算器を付けた計算尺も有るが、加減算器そのものの構造は計算尺とは別物

*2:淘汰は必然とは言え、ここまで急速に廃れたのは、基本的に加減算が出来ないことから、結局は電卓と併用になってしまう為と思われる。尚、計算時間自体は電卓より早い。

*3:特殊な物としては円筒形にして距離を稼ぐ事で1桁上の物もありました

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