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言葉のサラダ

(サイエンス)
ことばのさらだ

言葉のサラダ、ワードサラダ、とは統合失調症における言語の機能が崩壊した様な言葉の羅列の事である。
意味の分からない言葉の羅列、文法としては合っているがよく考えると意味的に通らない言葉、合っていそうな感じはするが助詞等の使われ方が不適切で意味が通らない言葉、定義が明らかでない独自定義用語ばかりで何を言っているのか意味が掴めない言葉、等々、色々な現れ方をする。
幻覚妄想状態」と共に現れやすいものである様だが、「幻覚妄想状態」が幻覚妄想を主眼に置いているのに比べ、こちらは言葉の使われ方に焦点が当てられている。

人工的「言葉のサラダ」

しかしこれらは統合失調症患者でなければ発し得ないかと言うとそうでもなく、人為的に作る事も可能である。
Wikipedia(Colorless green ideas sleep furiously - Wikipedia)より引用するが、"Colorless green ideas sleep furiously"(直訳: 無色の緑色の考えが猛烈に眠る)の様に、文法的には正しくても意味が通らず、発された相手は何が何だか分からなくなる様な言葉は機械的に容易に生成されうるものである(通常、人間にしても機械にしてもこの様な意味の通らない言葉を排除していくように進化していくものであるが)。
日本語においては助詞を使わなかったりその使用法がおかしな言葉を大量に口走ったり、上記の様な文法だけ正しくて意味の通らない言葉を使えば、簡単に「言葉のサラダ」を作り出す事が出来る。また、独自定義用語*1 *2の頻出についても同様である*3

*1:ICD-10の統合失調症の項にある「言語新作」がこれであろうか。合成語の規則に則っており意味が通じるのであればこれは病的なものに該当しないはずのものであるが、例えば「生姜湯行為」「南無妙法蓮地蔵」の様にさっぱり意味の分からない言葉も合成語として作られうる。しかしICD-10中の「考想化声(こうそうかせい)、考想吹込または考想奪取、考想伝播」という記述も「言語新作」に該当していると思われるのだが…これを作ったのは中国系の人なのであろうか?漢語は複合語が作りやすいが(単語を連ねていくだけで良いので)、これに関しては日本語として意味が通じにくいものになっているのは否めない。

*2:意味の分からない合成語とは別の例として、例えば「ブグらはトンチャンじゃないから」という文は日本語の文法を満たしてはいるが、理解は不可能である。人または機械が構文解析を行ったとしても、単語「ブグ」と「トンチャン」の意味が解決されないので文としても意味を理解するのが不可能なためである。計算機科学の援用をするのであれば、変数が解決されない状態で計算を行うのに失敗した、という様な喩えが使えるだろう。

*3:これは発達心理学においてはいわゆる「ギャングエイジ」においてよく見られるとされる現象でもある。ギャングエイジの子供は徒党を組むとされるが、独自定義用語で話す徒党に周囲を囲まれる事があるならば「言葉のサラダ」に放り込まれた様な感覚に陥るかもしれない。

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