ユークリッド幾何学には多くの暗黙の前提が使われています。それらを明確にする試みがヒルベルトによってなされました(Hilbert, D.(1899)Grundlagen der Geometrie(『幾何学の基礎』寺坂英孝・大西正男訳・解説、共立出版、1970)。ヒルベルトの公理系には基本的な公理の他に、アルキメデスの公理とデデキントの公理の二つが採用されています。 直線が完備である、つまり、ギャップがない(連続している)というのがデデキントの公理ですが、これは実数の連続性(continuity of real numbers)とも呼ばれ、実数の集合がもつ性質です。実数の連続性は実数の完備性(c…