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甲状腺癌

(サイエンス)
こうじょうせんがん

甲状腺(首の正面、のどぼとけの下で気管を囲むようにして存在)に発生する悪性腫瘍。
「乳頭癌」、「濾胞癌」、「髄様癌」、「未分化癌」の4種類に分類される。甲状腺癌のうち、約90%は乳頭癌。

種類

乳頭癌

乳頭癌は進行が遅く、転移も少なく、予後もよい癌として知られている。甲状腺癌のうち、約90%を占める。
長い時間をかけて、悪性度の高い未分化癌に変化することもある。女性に多い。

濾胞癌

甲状腺癌のうち約5%を占める。乳頭癌と比べて転移しやすいという特徴を持つ。転移が無ければ乳頭癌と同程度に予後はよい。女性に多い。

髄様癌

カルシトニンを分泌する甲状腺傍濾胞細胞に発生する。悪性度は乳頭癌や濾胞癌より高いが、未分化癌ほどではない。
発症は稀。半数近くが遺伝性のものである。

未分化癌

発症は稀であるが、進行が早くかつ転移しやすい、最も悪性度の高い種類。男性の発生頻度のほうが高い。
急速に進行するため予後は不良。

原因

はっきりとは明らかになっていないが、放射線被爆、ヨードの過剰摂取もしくは過少摂取、遺伝(特に髄様癌)が有力な発生原因ではないかと考えられている。

症状

初期症状はのどぼとけの下あたりや首のあたりに痛みのないしこりが認められる他に自覚症状はほとんどない。進行するとのどの圧迫感や嗄声(声のかすれ)などの症状も認められる。
悪性度の高い未分化癌では、急に甲状腺が腫れ、痛みや発熱などが起こる。進行すると嚥下障害や呼吸困難を起こす。

治療

未分化癌を除く、乳頭癌・濾胞癌・髄様癌では外科療法による治療が主力となっている。腫瘍が小さい場合にはすぐに手術には及ばずに、経過を見守ってから治療を判断することもある。
未分化癌は手術療法を中心に化学療法や放射線療法を併用した治療がおこなわれるが、悪性度が高いため手術が不可能であったり、強烈な抗がん剤を用いた化学療法を行うことになったりすることがある。その悪性度の高さから、これといった治療法が確立されているわけではなく、QOLを優先した対処療法のみが行われる場合もある。



診療科:外科・内科・内分泌代謝科

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