技術を金で買う、技術を第三者に委ね管理されている、現代農業の重大な欠陥がそこにあるのではないか。私がずっと抱いてきた懸念である。 農業がもうからない商売であることは世界共通である。国や地域の経済発展レベルとは無関係で、資本主義経済においては農林水産業が産業間の搾取対象になっているのだ。だから、多くの資本主義国でも農業に多額の公費を投じて産業基盤を守っている。このことは『有機農家を育てる(6)農業予算の4倍増、5倍増が必要だ』で述べた。 日本はその公費投入が少なすぎるから「農業では食えない」と離農が進み、食料自給率が下がり続けてきた。このことが日本農業の最大の問題なのだが、もう一つ、農業界自身が…